花月ブランド戦略設計図 歴史的偉業へ向けてGO!!パートⅠ
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ラーメンはビジネスとなりえるか?
『ラーメンビジネスは、外食産業の中で最後に残されたパラダイス(楽園)である!』
これは、某大手ラーメンチェーンの社長様の有名なセリフです。僕も、全く、完全に、百パーセントこの意見に同感です。しかし、残念ながら、このパラダイス
を享受できるのは、我々『花月ブランド』だけなのです。冗談でもなんでもなくて、僕は本気でそう考えるのです。ラーメンビジネス=最後のパラダイス=花月 ブ ランドという図式が、ハッキリと僕の頭の中には”イマジン“されているのです。
イマジンとは、”想像する“という意味ですが、実は、これまで誰もが真面目に、『ラーメンがビジネスになる!』とは想像してこなかったのです。何故なら、
ビジネス=ブランド戦略という、ごく当たり前の一般的な考え方が全く通用してこなかったのが、ラーメン業界だからです。自動車業界にしろ、家電業界にしろ、ファッション業界にしろ、最も身近なハンバーガー業界にしても、ビジネスである以上は、ブランド戦略(展開)が基本中
の基本であるはずです。ブランド戦略の成功が、そのビジネスの生命線にさえなるのが”普通“の ことです。これに失敗すると、ビジネスは成り立ちません。かつてバブルの頃、自動車メーカーのマツダが、『ユーノス』『アンフィニー』などの多角化ブラン
ド戦略に失敗。会社存亡の危機の中、フォードの支援を受けざるを得ないという事態に追い込まれたのは、記憶に新しいところでしょう。”ビジネス=ブランド戦略“という公式は、細心の注意を払って練り上げ、育ててい
くものという概念であり、それが、多くの業界にとっての”共通認識“なのです。
ところが、今までラーメン業界においては、ブランド戦略という言葉さえ、使われることなど皆無でした。それどころか、ビジネスという言葉も、この業界には
どこか不似合いな印象で、その代わり、”弟子入り“”修行“”弟子の独立“”のれんわけ“などの言葉にそれが置き換えられ、師匠の屋号に似た屋号を引っさげて、新たにラーメン店を構えるという慣わしがありました。一方、”水商売感覚“でラーメン店を開業し、『何だ、全然儲かんねえな…』と、すぐに店を畳んでしまう人もいれば、『行列のできるラーメン店なんて、俺にはすぐできる!』と豪語して始めたものの、これまた早期に撤退に追い込まれる人…、中には、芸能関係者の幅広い人脈をフルに使って、人工的に行列のできる
繁盛店を捏造する人など、どれにしても、ビジネス・ブランド戦略という言葉の響きとは相容れない様相が、確かにラーメン業界には昔からあるのです。要する に、ラーメン業界は、今も昔も”個人商店“”パパママストアー“”水商売“の範疇の中に囲われているのです。別に、個人商店が悪いとか良いとかそういう問
題ではありません。そこには、ビジネスモデルとも違う、ブランド戦略とも相容れない、一種独特の世界観が出来上がっているのです。
それは、いったいどんな世界観なのでしょうか?
『俺のやりたい店をやる!』
『ラーメンが好きだからラーメン屋をやる!』
『ラーメンだったら、俺にも手っ取り早くできるだろう…』
要するに、自分の気持ちの赴くままに、『ラーメン屋をやってみたい!』という感情で突っ走ってしまう人が圧倒的に多いのが、ラーメン業界なのです。そして、不思議なことに、その状況に誰も疑問に思うことなくここまで来てしまったのが、ラーメン業界の最大の特徴なのです。
同じ飲食業界でも、他の業種と比較してみると、その違いは一目瞭然です。例えば、ハンバーガー業界はどうでしょうか?マクドナルド、モスバーガー、ロッテ
リアなどの大手が市場を独占しています。勿論、彼らは、最初からビジネスとして十分に計算をし、各々のブランド戦略に則って日々競争しています。そこに は、個人商店が立ち入る隙は微塵もありません。そもそも日本には、ハンバーガーなる食べ物は存在していなかったわけですから、日本に輸入されてきた当初か
ら、ビジネスモデルありきのブランド戦略が展開されたのです。要するに、”ハンバーガー=ビジネスモデルそのもの“だったわけです。最初から個人商店の出る幕はありません。
また、牛丼業界もしかりです。ハンバーガーに比べれば、日本オリジナルの食べ物といえますが、長い歴史を辿りながら、日本独自の牛丼ビジネスモデルとして
完成されてきたのです。吉野家、松屋、すき家などの各ブランド戦略は、今や緻密に計算され、その中で、飲食ビジネス業界の歴史に残るような壮絶な死闘が、 日々、我々の街のいたるところで繰り返されているのです。
カレー業界などは、ココイチさんの完全一人勝ちで、既に勝負がついています。喫茶店のカレーから始まったココイチさんでしたが、当初から、カレーという食
べ物には『大いにビジネスチャンスあり!』と考え、ブランド戦略をスタートさせたのです。その結果、外食のカレー=ココイチという独占的図式ができ上がっ たわけです。
ちょっと目線を変えて、宅配ピザ業界はどうでしょうか?こちらも、今更言うまでもなく、ピザーラさんのビジネスモデルとブランド戦略に、他社は大きく水をあけられてしまいました。勿論、個人商店の宅配ピザ屋さんの存在などは聞いたことがありませんよね(笑)。
ここでもう一度、ラーメン業界に目を向けてみましょう。マクドナルドや吉野家、ココイチなどの他の業種には、いわゆる”ビックネーム・ブランド“がある一
方で、ラーメン業界におけるビックネーム・ブランドとは、どんなブランド名でしょうか?すぐに思いつく人はいますか?『大勝軒』?『春木屋』?『吉村家』?残念ながら、これらはブランド名ではありません。これらは、ラーメン店の”屋号“で
す。何故なら、ブランドという以上は、誰に聞いても『知っている』とな らなければなりません。例えば、沖縄在住の人が『春木屋』を知っているでしょうか?札幌在住の人が『吉村家』を知っているでしょうか?よほどのラーメンマ
ニアの方以外は、まず『知らない』と答えるでしょうね。『大勝軒』は、昨今におけるメディアの強い影響で、日本中の多くの方が『知っている』となるでしょ うが、では、『食べたことは?』と聞いてみれば、多くの方が『食べたことはない』と答えるのではないでしょうか。いくら有名でも、自分が食べたことがない
ラーメンをブランドというのは、いささか無理があるというものです。特に飲食の場合は、我々の日常に深く密着しているのですから、食べたことがないのであ れば意味がありません。バッグや靴などの高額ブランド商品とは違うわけですから…。それに、ブランド戦略の定義にもよりますが、最低限の店舗数がないこと
には、意味がありません。
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ビック・ビジネスチャンス!が眠っている!
ここまでの流れを要約すれば、ラーメン業界においては、ビックネーム・ブランドも存在していなければ、ビジネスモデルとしての考え方も導入されていなけれ
ば、ブランド戦略も全くおぼつかない状況のまま、時が過ぎているのです。しかも、そのことに誰も気が付いていないのです。ラーメン業界に携わる人も、ラー メンマニアも…です。
実は、ここにこそ、”パラダイスに相応しいビジネスチャンス!“が 眠っているのです。誰もが何の疑いもなく、ラーメン=個人商店、ラーメン=パパママスト
アー、ラーメン=水商売、ラーメン=ラーメンマニア、ラーメン=ラーメン職人、ラーメン=行列のできる店、ラーメン=非ビジネスモデル、ラーメン=非ブラ ンド戦略だと思っていること事体が、このパラダイスを覆い隠して、目に見えないようにさせてしまっているのです。言い換えれば、みんながラーメンの本当の
可能性を誤認、誤解、錯覚、妄想してしまっているのです…。結果的に、誰もがラーメンの輝ける素晴らしい未来をイマジンすることができなくなっているのです。だからこそ、この現状を深く理解し、ラーメンの未来をイマジンすることができる人にだけ、この最後のパラダイスが鮮明に見えるというわけです。勿論、
このパラダイス=ビジネスチャンス!に気が付いた”少数派のラーメンチェーン(と○太、く○まや、etc…)“が、我先にこのパラダイスに辿り着こうと、遥か以前から”暗躍“していたのも一つの事実ですが、残念ながら、このパラダイスに無事に辿り着けたラーメンチェーンは、これまで一つもありません。
なぜか?
実は、答えは意外なほど簡単です。
”センス“がなかったのです。
ラーメンをビジネスチャンス!と捉え、ブランド戦略を構築しながらも、このパラダイスを享楽するためのセンスを誰も持ち合わせていなかったのです…。
これは、いわゆるビジネスセンスのことではありません。どのラーメンチェーンもそれなりにビジネスセンスを持ち、それなりの努力をして、パラダイスに向 かって猛進したとは思いますが、正直、それだけではだめなのです。ラーメンビジネス=パラダイスと見抜いたセンスは賞賛に値しますが、もう一つ上のランク
のセンスが要求されるのです。このパラダイスに辿り着くためには…。
それはなにか?
例えて言うならば、”アーティストの感性に近い芸術的センス“と でもいいましょうか?芸術家が、自分自身の内面から湧き上がる情熱を自身の作品に投影する
ように、ラーメンブランド戦略を創造することに成功したラーメンチェーンだけが、この至福のパラダイスに到達することができるのです。何故なら、ラーメン という食べ物は、他の食べ物とは違い、個人の思い入れが非常に強く、その嗜好性に物凄く影響をおよぼし、さらに、地域性の違いから来る特色や、テレビの
ラーメン番組の影響をもろに受けるという歴史的事実がある、そんな複雑怪奇な食べ物がラーメンなのです。好きとか嫌いとかの単純な基準で測ることができな い、まして、ハンバーガーやカレー、ピザとは同じ次元では決して測れないほどの、奥が深く、魅力ある食べ物が、ラーメンなのです。ココの理解が不十分のま
ま、パラダイスを目指したところで、それは、砂漠の中の蜃気楼をパラダイスと見誤るほど虚しく、虚脱感に襲われる結果になろうというものです。
外食産業に残された最後のパラダイスに辿り着ける条件は、
1まず、ラーメン業界が最後に残されたパラダイスであるという事実に気付くこと
2ラーメン業界にきちんとしたビジネスモデルを取り込めること
3しっかりとしたブランド戦略を構築することができること
4アーティスト並みの優れた芸術的センスで、そのブランドを磨いていけること
これらの条件を満たすことができるラーメンチェーンだけが、最後のパラダイスを享受し、謳歌することができる”勝ち組“だということです。
僕は、”花月ブランド“こそが、この最後の楽園をゲットするのに最もふさわしいブランドであると自負するのです。では、この僕の自信の根拠は、どこから来るのでしょうか?
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花月ブランドの設計図 天然ブランドからのスタート!
偶然のようにスタートしたラーメン花月も、当初はごく普通の個人商店でした。主力のラーメンも、現在の”嵐げんこつらあめん“(ニ ンニクげんこつラーメ
ン)ではなく、シャキ玉ラーメン(当時の商品名は中華そば)でした。そのとき、僕の頭の中には、どのようにすれば美味しいラーメンができるのか?どうすれ ばお客様が来てくれるのか?そのことだけでした。それこそ、ブランド戦略、ビジネスモデルなどの言葉など、考える余地は全くなかったのです。このような生
い立ちでスタートするブランドを、僕は”天然ブランド“と呼びます。一方、開業当初から緻密なブランド戦略を描き、はじめにビジネスモデルありきでスタートするのを”養殖ブランド“と呼びます。
これらは僕のオリジナル用語ですが、どちらが良い、悪いという問題ではありません。先ほどの例で言えば、ハンバーガー業界は、完全に養殖ブランドが多数を
占める業界です(日本においては)。それに比べ、ラーメン業界は、そのほとんどが天然ブランドで占められています。これが、ラーメン市場の実に七割が個人 商店であるという事実に符合するのです。
このように、花月のスタートは、単なる一個人商店だったわけですが、ここで転機が訪れます。それが、ニンニクげんこつラーメンのデビューのときです。主役
のラーメンが交代するという、前代未聞の珍事件?を経て、僕の頭の中には、ラーメン業界は、まだ誰もブランド構築に成功している例がない…、近い将来、必 ずラーメン業界にもブランド化の波が押し寄せるはずだ!一日も早くブランドを立ち上げなくては、この業界にも自分自身にも未来はない!という考えが、怒涛
のごとく渦巻き始めたのです。そこからが、本当の花月ブランドのスタートとなったわけです。
今でこそ、嵐げんこつらあめん(ニンニクげんこつラーメン)ですが、実は、当初は、『ニンニク”とんこつ“ラーメン』という商品名でのデビューでした。理
由はシンプルで、当時は、博多長浜とんこつラーメンの大ブームが、東京を席巻していたからです。都内に新たにオープンするラーメン店のほとんどが、”博多 長浜とんこつ…“と名乗っていたのです。そのブームの火付け役が、環七にあるラーメン店『なんでんかんでん』だといわれています。ブームの理由は、当時の
東京には、本格的な九州のとんこつラーメンは、まだ上陸していなかったのです。お湯で薄めたようなとんこつ”風“ラーメンしかなかった時代に、なんでんかんでんの店主が、時代を先取りしたかのごとく、本場のとんこつラーメンを東京に持ち込んで、それに火がついたのです。そこで僕は、そのブームに便乗して
(笑)、ニンニク”とんこつ“ラーメンと名乗ることにしたのです。ご存知のように、ラーメンのカテゴリーでいえば、ニンニクげんこつラーメンは、とんこつ ラーメンではなくて、”豚骨醤油(背脂チャッチャ系)“というのが正しい分類になるのでしょうが、それを承知の上で、ニンニクとんこつという商品名でデ
ビューさせたのです。しかも、博多長浜というサブネームも付けて…。これが、花月ブランド初の戦略的発想だったわけです(笑)。
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ロングセラーを目指す戦略
次なる花月創成期における原始戦略的発想が、花月ブランドはロングセラーを目指す!ことでした。ベストセラーとロングセラーの違いは、以前の社内報でも説
明しましたが、これは要するに、『人気商品として、今も生き残るのか?』『瞬間の人気に生きて、即散るか?』この、人気商品としての『生き様の違い』があ ると思うのですが、花月ブランドは、絶対にロングセラーを目指そうと、戦略的に考えたわけです。これは、あくまでも考え方の違いであり、ベストセラーを連
発することができるような体力のある人(ベストセラー戦略は、連発し続けなければ意味がないから)はそちらの道を選べばいいし、そのような体力もなけれ ば、生来の怠け者と自負する人は、ロングセラーを目指せばいいわけです。どちらの戦略も間違ってはいません。ただ、自分の個性に合わせて選択すればよいの
です(選択したとおりの結果になるとは保障できませんが…)。
ちなみに、ロングセラーを目指す戦略を、僕は”所ジョージ戦略“と 勝手に呼ばせてもらっています。何故なら、所さんは、芸能界における究極の超ロングセ
ラータレントの一人だからです。所さんがデビューしたのは、一九七〇年代です。以来、長きに渡り第一線で活躍されているのは、ご存知のことだと思います。 その背後で、どれだけの時代を揺るがすスターが登場しては消え、登場しては消えを繰り返してきたことでしょうか。最近のお笑い界の例でいえば、テツアンド
トモ、ギター侍…等(笑)。別に、所さんがお笑い界の人間とは思いませんが、所さんは、今も昔も所ジョージというキャラクターはそのままであり、その人気 は衰えを知りません。しかし、所さんは、決して芸能界の表舞台の中心に立とうとは思っていないのです。そのポジションは、誰かに任せているのです。
そもそ も所さんは、そのポジションには興味がないのです。何故なら、そこは、グルグル目まぐるしく主役が日替わりで入れ替わるポジションだからです。所さんは、
そのことを誰よりも理解している人物だと思います。グルグル入れ替わる主役よりも、永久に入れ替わらない脇役のポジションのほうが、結果的に人気が持続す るのです。日本中が『何でだろう〜?』『残念〜!』というネタに大うけしている最中でも、それを涼しい顔で聞き流しているのが、所さんなのです。いちいち
その人気に嫉妬する必要もなければ、自分と比べる必要もないのです。逆に言えば、この我慢ができないタレントさんは、ロングセラー狙いを止めて、ベストセ ラー狙いへ進むべきです。
ラーメンも全く同じです。ロングセラーの道を進む戦略を取っているラーメンブランドが、町の行列のできるラーメン店にいちいち嫉妬する必要はありません。
何故なら、いずれその行列も、何事もなかったのごとく霧散するのですから…。先ほどのラーメン店『なんでんかんでん』さんも、その人気の頂点の時は、行列 が環七沿いに百メーターはできていたと記憶していますが、今、その面影を探すのは至難の業です…。それでも、どうしても行列のできるラーメン店が気になって仕方ないという人は、路線変更、体力勝負のベストセラー戦略に舵を切ればいいだけのことです。
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モノコンセプトからマルチコンセプトへ
「花月ブランドはマルチコンセプト戦略である!」と、僕はいたるところで説明しています。マルチコンセプトとはなにか?これも以前の社内報で説明していま
すが、一言で言えば、時代の流れに合わせて変幻自在に自らを変化させることができるコンセプト、これがマルチコンセプトです。それとは反対に基本的に単一 商品、単一戦略から作り上げられたのがモノコンセプトです。
ビジネスの世界では、市場が物の価値を決め、お客様の求めているものを提供することがビジネスの基本であり、また、時代の流れとともに、お客様のニーズや
ウォンツも変化していくわけですから、当然こちら側も、それに合わせて変化対応していくべきです。時代の流れというものは、その時々の技術革新や新たな価 値観の創造により動かされているのであり、この流れは誰にも止められません。大切なことは、時代の流れに逆らわずに、自らも進化していくことです。このビ
ジネスにおけるごく当たり前の基本を、ラーメン業界の中でいち早く導入したのが花月ブランドであり、僕がマルチコンセプトだと繰り返し伝える理由なので す。何故なら、ラーメン業界は、ほとんど百パーセント、モノコンセプトだらけの業界だからです。とんこつラーメン店はとんこつラーメンしか出しませんし、
昔ながらのあっさり醤油ラーメン店では、とんこつラーメンはメニューにありません。
『俺はこのラーメンに命を懸ける!』
『男ならラーメン一本で勝負してみろ!』
『あんなのはラーメンじゃねえ〜!』
多くのラーメン店主が、自分のラーメンはこれだ!と、なんの疑問も抱かずに主張していますが、例えば、とんこつラーメンのブームが去った後のとんこつラーメン屋さんは、どうするつもりなのでしょうか?
これまで、ラーメン業界の歴史に残るような大ブームは、大きく分けて三つありました。
一つ目は、札幌味噌ラーメンブーム。
二つ目は、喜多方ラーメンブーム。
三つ目は、とんこつラーメンブーム。
記憶にある方もいらっしゃるでしょう。しかし、今、ブームを越えて完全に定着したといえるのは、とんこつラーメンぐらいでしょうか?それも、とんこつラー
メン一本で勝負して生き残っているのは、珍しいケースでしょう。様々な試行錯誤を繰り返し、なんとか生き残っているのが関の山です。ブームに乗ってオープ ンしたラーメン店のその多くが、”現役引退“に追い込まれているのが現実なのです。
ある意味、このような流行(ベストセラー)を生みやすいのが、モノコンセプト戦略の恐ろしいところです。モノコンセプトであるがゆえに、一大ブームを巻き
起こすことが可能な反面、そのブームが終焉を迎えると同時に、潮が引くかのごとく、モノコンセプトは飽きられ、即時代遅れの象徴のような扱いを受けてしま うのです。例えブームにならなくても、飽きられたら終わりです。
ところが、ラーメン業界は、多くのお客様も関係者も、誰一人、ラーメン=モノコンセプトであると思い込んでいるのです。これが、僕には不思議でならないの
です。確かに今までは、ラーメン=モノコンセプトでも通用していたかも知れません。何故なら、ラーメン業界だけが、特殊な歩みを重ねてきた歴史があるから です。それは、他の外食とは一線を引きます。一番の理由は、ラーメンは非常に嗜好性の強い食べ物であり、また、ご当地ラーメンなどと言われるように、地域
性が非常に反映された食べ物だからです。北から始まって、札幌味噌ラーメン、福島の喜多方ラーメン、山形は冷やしラーメン、佐野ラーメン、荻窪醤油ラーメ ン、横浜の家系ラーメン、和歌山ラーメン、尾道ラーメン、博多とんこつラーメン、熊本ラーメン…。多くのそれぞれの地域を代表するラーメンがしっかりと根
を下ろし、生活の中に密着する形で、その存在を誇ってきた歴史があるからです。その代表が喜多方地区でしょう。なんと言っても、この地区の人々は、朝から 朝食としてラーメンを食べるのが当たり前との話だからです。いかに喜多方ラーメンが地元の人に愛されているかという証拠です。要するに、ラーメン=地域の個性そのもの、文化そのものといえるのです。この現象を他の外食と比べてみれば一目瞭然です。
ハ ンバーガーやピザ、ドーナツなどの舶来ものは、説明する必要もなく、日本における地域性の違いなどは全く当てはまりません。カレー(この場合はカレーライ
ス)、牛丼、うどん、そばなどの日本発の食べ物も、多少の 地域性の違いがあるのは認めますが、例えばカレーに、大阪の味も東京の味も、大きな違いなどありません。これがラーメンになると、驚くほどの違いが生じる
のですから、いかにラーメンという商品が地域の特性に、文化に根ざしたラーメン文化を持っているかがわかるというものです。
しかし、これからの時代は、この地域特性の違いからくるラーメン文化の違いが、音を立てて崩れていくと考えるのが僕の予測です。何故なら、メディアの仕掛けたテレビなどによる”ラーメンブーム“が、広く日本中のお茶の間に情報をもたらし、地元のラーメン以外のラーメンの存在を、多くの方が知ってしまったからです。
『あんなラーメンがあるんだ!』
『尾道ラーメンって美味しそうね!』
『スープがないラーメン?なにそれ?』…。
これは、戦後、ラーメンを愛して止まなかった多くの日本人の意識を根底から変えるという意味においては、ラーメンの歴史上、最も注目すべき事実であり、一
番の大事件です。これがメディアのパワーであり、怖いところでもあります。どちらにせよ、時代の流れは誰にも止められないという経済の原理原則に素直に従 うならば、地元のラーメンだけでは物足りないと思うようなお客様の変化を、今後潜在的にせよ、感じないわけにはいきません。
そして、その結果、ラーメンという市場が大きく様変わりするのです。一部のラーメンマニアや嗜好性の強い食べ物、地域性の強い食べ物という今までのラーメ
ンの枠を越え、ファミリーからお年寄り、女性のお客様まで、誰もが気兼ねなく、ごく普通にラーメンを食べる時代…。そんな大きな市場の変化がもう既に現実 に現れているのです。
要するに、時代の必然性からここまでモノコンセプトで歩んできたラーメンの歴史が、メディアの影響から到来することが確実なラーメン市場の大きなの変化の
なかで、マルチコンセプトという新たなラーメンビジネス戦略によって書き換えられるときが、もうすぐ目の前まで来ているのです。後は、そのことに誰が気が付くのか?ということなのです。非常に残念なことに、まだ、そのことに誰も気が付いている兆候は見られません…我々花月ブランド以外はね…(笑)。
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新商品戦略がラーメン業界を激変させる!
天然ブランド+モノコンセプトからスタートした花月の歴史が、ニンニクげんこつラーメンの登場を皮切りにロングセラーを目指すと同時に、ラーメン業界にお
ける最後のパラダイスをいち早く見抜き、マルチコンセプトへと大きく変化してきたのが花月ブランドの歴史であり、その最後のパラダイスへの道を具体的な形 に表した究極の戦略が、新商品戦略です。その中でも大きな戦略の軸が、期間限定ラーメンを販売の中心に置き、そこから大物期間限定ラーメン、メディア戦略
商品が生まれることによって、他との差別化を図るという発想です。
しかも、この新商品戦略を実行できるのも、嵐げんこつらあめんという超〜看板商品が、横 綱のごとく、凛々しく、堂々と花月ブランドの屋台骨を支えてくれているからこそ可能な戦略なのです。言い換えれば、ロングセラーの代表選手である嵐げんこ
つらあめんを柱にして、時代の変化に対応できるメディア戦略ラーメンが脇を固め、かつ、日本人が生み出したラーメン文化を代表するような個性豊かなラーメ ンを、全国のお客様に大物期間限定ラーメンとしてお届けする、これらの戦略の総称を新商品戦略というのです。
この新商品戦略を可能にするための、絶対に避けては通れない道が、商品開発チームのレベルの向上です。それは、技術的な向上も当然ですが、なにより重要な
ことは、そもそも”美味しい“と はどういうことか?美味しい食べ物とそうでない食べ物とは、何が違うのか?多くのお客様が美味しいと思ってもらえる商品の 開発のためには、我々は何をしなければならないのか?これらの疑問に向けての答えを探すことにより、絶対味覚(音楽の世界にも絶対音感を持つ人がいるよう
に)の向上を目指したのです。ここに全力投球で体当たりするのが、商品開発部立ち上げの時の最重要課題でした。ハッキリいえば、なにが美味しいのか?なに がまずいのか?それがわからずに商品開発などできるはずがありません。そのためには、できるだけ多くの食べ物に触れ、直接自分の舌で確認するしか方法はあ
りません。
勿論、ラーメンに限らず、ありとあらゆる食べ物を自分の舌で確認し、覚えるのです。こうすることを繰り返すうちに、自分の味覚が変化し、様々な食品の構 成、そのバランス、美味しいと感じるツボのようなものがわかってくるのです。そうすることによって、複雑多岐にわたるラーメンの世界(特にスー
プ)も、難解なパズルをいとも簡単に完成できるかのごとくに、たちどころにそのツボが解明されるようになるのです。これが、新商品開発には絶対に欠かすこ とができないポイントであると認識しています。それが、花月ブランドを背負って新商品の開発を進めていく商品開発部の使命でもあるのです。このような気持
ちでラーメン業界に挑む姿が、我々の誇りにもなっているのです。
しかし、ラーメン業界には、こうした気概でもって商品開発に情熱を注ぐ姿はあまり見られません。ラーメン屋はラーメンを食べればいい!とか、自分のラーメン以外は食べない!とか…、
どこか意固地にさえ感じるように、この業界の人は、何かとラーメンを特殊なものと扱いたがるのです。僕は、このような姿勢には断固反対です。あらゆるジャ ンルを超えて味覚を鍛えないことには、美味しいラーメンどころか、大福一つも出来はしません。ラーメンという枠を超えた開発をイメージして、そこか
らはじめて最高に美味しいラーメンを生み出すことが可能になるのです。
また、ラーメンの開発、新商品の開発という言葉自体も、この業界の多くの方は違和感をもっているように思いますが、そのことだけでも、時代の変化に対応し
ていない、気が付いていない証拠です。どこの業界に、新商品の開発をすることなく、悠長に構えている人がいるでしょうか?自由経済の社会の中で、普通にビ ジネスをしていくのに、商品開発を疎かにしたり、その努力を怠っている企業が存在し続けることができるのでしょうか?お笑い界でも、次から次へと新たなネ
タを引っさげて登場してくる新人たちが、先輩芸人たちの椅子を虎視眈々と狙っているのですから…。『そんなの関係ね〜!おっぱっぴー』(笑)などと燻っている暇は、どこの誰にもないはずです。いつまでも、ラーメン業界だけが、商品開発という言葉と馴染まない状態で、放置されるハズがありません。この状況か
らラーメン業界が脱皮するための大いなる一歩が、我らが商品開発部の軌跡になるのです。
そして、そこから新しいラーメン文化が台頭してくるのです。花月ブランドの新商品戦略が、モノコンセプトに留まるラーメン業界を根底から揺さぶり、さらに、激変させることになるのです!
社内報「Grow up Beat」vol.35 平成19年10月20日より