グロービートジャパン社長の超戦略 目次

グロービートジャパン社長の超戦略とは

 
全国にらあめん花月嵐を200店舗以上展開するグロービートジャパン。他のラーメンチェーン、外食チェーンと一線を画す北条晋一の『超戦略』の数々を、社内報バックナンバーより選りすぐってここに大公開!加盟希望、入社希望の皆様方は必見です!

 

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 僕のオリジナル座右の銘 『ピンチ即チャンス』

 大ピンチ!?とんこつから“げんこつ”へブランド名変更!!

前向きに人生を捉えよう!

 

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 ロングセラー商品って?

 ベストセラー商品って?

 嵐げんこつらあめん(ニンニクげんこつラーメン)はどっち?

 

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 飲食店運営(経営)とはパズルのピースを埋めることと考える

 ピースはバランス良く埋める

 飲食ビジネスの盲点・死角

 飲食店ビジネスは『掛け算』ではなく『足し算』である!

 

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 自然体の気持ちでお店を育んだ天性のブランド

 ビジネスモデルありきのブランド

 天然ブランド代表選手

 養殖ブランド代表選手

 天然ブランドとしての“誇り”を持とう!

 

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 ラーメン界のスター

 コンセプトの行き詰まり!?

 ビートたけしとタモリ

 どんな時代でも勝ち続けるために!

 

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 ラーメンの歴史を振り返る

 ラーメンバブルは崩壊すべくして崩壊した・・・

 変化に対応しながら進化する!

 

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序章

個人商店が存続するわけとは?

メディアとラーメンブーム

ラーメン業界の企業努力とは

 

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時代の流れとラーメン店のあり方

ラーメン人口は拡大する!

キャンペーン&新商品について

面倒なことは本部がやればよい!

 

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なぜ大人気の 『ブラック』 が期間限定なの?

大物期間限定ラーメンとは?

Yahoo!コラボ企画商品 『真骨頂』 誕生の秘密

野菜だけで作った画期的ラーメン『菜菜』が教えてくれたこと

 

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菜菜&GTRのメディア戦略とは?

店内外設置物の基本形とは?

商品名はフルネームで!

画期的アイディア!新商品専用Tシャツ

花月ブランドの樹立!

嵐げんこつらあめん(ニンニクげんこつラーメン)に感謝!

キャラクター化した商品名

 

 

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ラーメンはビジネスとなりえるか?

ビック・ビジネスチャンス!が眠っている!

花月ブランドの設計図 天然ブランドからのスタート!

ロングセラーを目指す戦略

モノコンセプトからマルチコンセプトへ

新商品戦略がラーメン業界を激変させる!

 

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多店舗化の重要性について

花月ブランド出店戦略の真髄

花月ブランドの出店を心待ちにしていただいているお客様が大勢いてくれる!

成功の風景が描かれている

優良物件はいくらでも手に入る

リービングシステム(社員独立制度)こそ主役だ!

 

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ラーメンとホスピタリティー

マニュアルなんか必要ない?

マニュアルはお客様のために存在する!

マニュアルとは失敗の遺産である!

 

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製作中・・・

 

僕の持論 ピンチ即チャンス!

僕の持論 ピンチ即チャンス!


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僕のオリジナル座右の銘『ピンチ即チャンス!』についてお話します

 

よく世間一般に言われているところでは、『ピンチの後にチャンスあり…』ではないでしょうか。でも、僕の場合は『ピンチ即チャンス!』なのです。「どう違うの?」と思われるかも知れませんが、実はちょっとだけ違うのです。一言で 言えば、ピンチを“受動的”に捉えるか、“能動的”に捉えるか、の違いです。

 

例えば、日常よく使う場面で、プロ野球中継のアナウンサーが、「さあ〜ジャイアンツ、七回の裏のこのピンチをなんとか凌いだので、八回の表の攻撃はチャンス にしたいですね〜」という感じで表現しますよね。これは要するに、「ピンチの後だから、チャンスが来るかも知れないぞ…」または「ピンチの後だから、チャ ンスが来て欲しい…」という単なる“願望”を意味していますから、自ら主体的に行動して、ピンチをチャンスに変革する“強い意思”が、この表現の中には含まれておらず、結果的に『ピンチ』と『チャンス』との間には、“時間の経過”以外、何ら関係性が無いとなってしまいます。

 

せいぜい、コインの表と裏のような関係があるくらいです。「ピンチになったりチャンスになったりするのは、時の運だからしょうがない…」とまるでひとごとの ように考えてしまうのと同じです。ですから、そこにはただ、“別次元としての状況の相違”が存在しているだけとなってしまうのです。よって『ピンチの後に チャンスあり…』という表現は、“受動的表現”と僕は考えます。

 

それに対して、僕の『ピンチ即チャンス!』という表現は、この“即”に重要な意味があるのです。よくビジネス本などにも、「思い立ったら即行動せよ!」など とありますが、この場合の“即”は、“副詞”としての使われ方をしています。「すぐに」「ただちに」と同じ意味です。これは一般的な使い方です。

 

ところが、実は“即”には“名詞”としての使われ方があるのです。辞書で調べてみると、「現象的には対立している二つの事(物)が、実は同一であること」と あります。この場合の“即”はイコール(=)と同じ意味で使われるのです。僕の『ピンチ即チャンス!』もこれと同じです。

 

要するに、ピンチとチャンスが同一であると考えるならば、何も恐れることはないと安心し、そこから積極的に、前向きに行動することにより、逆に、ピンチが チャンスに“化学変化”を起こし、結果的に素晴らしい成果を残すことができる!これが『ピンチ即チャンス!』の意味なのです。だから、僕はこれを“能動的 表現”と考えるのです。

 

しかし、「ピンチとチャンスが同じなわけがないだろう…」「同じどころか、正反対ではないか…」「人生の厳しさをわかっとらん奴のセリフだ…」と普通は考えるのでしょうが、僕は、自分の少なからず体験したものに加えて、様々な先人たちの人生を書籍や映画、テレビなどで知るうちに、ますますこのことを確信するようになりました。勿論、現実にピンチが襲ってきた時に、「これはチャンスだぞ、ラッキー!」と天邪鬼のように思えるような人間は、普通あり得ないでしょ うし、そもそも人間には、感情という素晴らしい性質が備わっているわけですから、素直に『ピンチ即チャンス!』と思えるようになるには、当然“時間差”が あるわけです。

 

それでも、後から振り返ると、「あ〜、あのときのピンチは、“ピンチ即チャンス!”だったんだなあ〜」となることが山ほどあるのです。自分のことで恐縮ですが、具体的な事例をあげてみます。

 

バンド活動の挫折(ピンチ)

     即(=)

ラーメン花月の誕生(チャンス)

 

  僕はその昔、バンド活動をしていました。ちょうど『イカ天(イカすバンド天国)』が流行っていた頃です。それなりに真面目に取り組んでいたので、この道で 生きていけたらと思っていたのです。僕は、子供の頃から自分自身を表現することに興味をもつタイプだったので、絵を描いたり、工作をしたり、歌を歌ったり することが大好きでした。そう、要するに、僕はアーティストになりたかったのです。ですから、別に音楽という表現方法じゃなくても良かった(漫画家でもよ かった…)のですが、たまたまビートルズの『ツイストアンドシャウト』に魅了されてしまったので、バンドを作りました。

 

しかし、今現在の僕は、『ラーメン』という音楽とは全く別の次元の仕事をしています。何故なら、結果的に音楽で生きていくことに、僕は挫折したからです。 決して自ら諦めたわけではないのですが、なぜか音楽の世界から、目に見えないような魔力で“引き摺り下ろされた”という感じです。僕にとっては、まさに “人生最大のピンチ”だったのです。しかし、もしこのとき、僕が意地になってでもバンド活動を続けていたとしたら、『ラーメン花月』という二百店舗以上を誇る、非常に稀でユニークなブランドは、今現在、間違いなくこの世に存在してはいないでしょう。要するに、『バンド活動の挫折(ピンチ)即ラーメン花月の 誕生(チャンス)』だったのです。

 

元々僕は、ラーメンよりもカレーライスや定食類のほうが好きでした。十回に一回ぐらいラーメンを食べればマシなほうでしょう。そんな僕が、ラーメンの仕事 をするようになるわけです。不思議ですよね〜人生って。結果的には、自分自身を“直接的に”表現することができる仕事(アーティスト的な仕事)には縁が無かったわけですが、その代わり、今の仕事は僕にとって、“花月らしさ”をチェーン全体として追及することで、“間接的にでも”自分自身を表現することがで きる、さらに、お店を支えてくれる大勢のパートナーの方がいてくれて、しかも、毎日花月のラーメンを召し上がっていただいているたくさんのお客様が存在する、本当に素晴らしい仕事です!こんなチャンスは、人生何回も巡ってくることは無いと思います。そう考えれば、「あ〜、これでよかったのだな〜」としみじみ感じるのです。「なんだ、人生は『ピンチ即チャンス!』じゃないか!」と。


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大ピンチ!?とんこつから“げんこつ”へブランド名変更!!


 

  僕が花月を創業してから少し経った平成七年、あの傷ましい阪神大震災が発生しました。そしてそのすぐ後、我々ラーメン業界を震撼させる事件が起こるので す。数々の犯罪を犯した某団体の事件です。今も事件の後遺症に苦しめられている方達がいると伝え聞きます。当時、メディアも 連日この事件を繰り返し報道していました。そして、あろうことか、この事件がラーメン業界に飛び火するのです。

 

  どうしてかというと、彼らが実はラーメン店を運営していたからです。しかも、その店が『とんこつラーメン』の店だったのです。当時は、ちょうど東京を中心 に博多長浜とんこつラーメンの一大ブームが沸き起こった頃で、また、『横浜ラーメン博物館』の開業前後であったこともあり、彼らもそのラーメンブームに目 をつけてのラーメン店開業だったのではないでしょうか。マスメディアがこのことを報道するや否や、日本中のラーメン店、特にとんこつラーメンと名乗る店 は、全て彼らの店のような“レッテル付け”をされてしまったのです。さらに店名まで似ているところは、まさに悲劇そのものでした。

 

花月も少なからずそれにより迷惑を被ったのです。何故なら、今でこそ『ニンニクげんこつラーメン花月』ですが、当時は、『ニンニクとんこつラーメン花月』 というブランド名だったからです。店舗名に『とんこつ』と謳っていたのです。これにより、メディア情報に影響を受けた心無い人から嫌がらせを受けたりした のです。当然、売上にも影響を及ぼしました。こんなことが起こるのか?これが人生なのか?と、僕は非常につらい思いを経験しました。しかも、事件が沈静化 し、落ち着きを取り戻した後でさえも、一部の人の偏見的な嫌がらせは続いたのです。そこで僕は考えました。「『とんこつ』と言うから誤解をされるのではないか?」「じゃあ、『とんこつ』という言葉は使わなければいいのでは?」『…』

 

しばらくして、一つの名案が僕の頭に浮かんだのです。「そうだ、『げんこつ』だ!これを使おう!『ニンニクげんこつラーメン』これだ!」


『げんこつ』というのは、豚の大腿骨の部分の名称のことで、ラーメンは主にその骨を使ってスープを作るので、意味的にもおかしくないし、発音的にも、ニン ニクげんこつラーメンという濁音が入った方が、耳に馴染みやすいというオマケまでついてきたのです。まさに一石二鳥です。さらに僕は、それまでのイメージ カラーである『黄色い看板』も、思い切って『オレンジ』に変更する決断をしました。別に巨人ファンというわけでもなかったのですが、『ニンニクげんこつ ラーメン花月』という“新ブランド”には、黄色よりもオレンジの方がしっくりくるように感じたのです。それに、ラーメン屋さんでオレンジはあまり使わない 色だと思ったのも理由にあります。一号店の赤い看板から数えて三度目の正直という感じで、オレンジ花月は誕生したのです(勿論、その後、嵐バージョンが黒い看板でデビューするのですが、あれはイメージカラーが黒というわけではなくて、全体的にシックなイメージを持たせるために“ベースを黒”にしただけで、 あくまでもイメージカラーは“オレンジ”なのです)。

 

そうすると、どうでしょう?今、お客様も『花月=オレンジ』と漠然とでも思っていただいているのではないでしょうか?もし、今も黄色い看板のままで、『ニンニクとんこつラーメン花月』のままでここまで来ていたとしたら、花月チェーンはどんな感じになっていたのでしょうか?ちょっと僕にはイメージできません。ですから、結果的になんとか、このピンチをチャンスに変えることができたのです。あのときは本当につらい思いをしたけれども、そこから一皮むけて、一 段と大きくなった『ニンニクげんこつラーメン花月』が誕生したのです。またしても、「なんだ、人生は『ピンチ即チャンス!』じゃないか!」という思いを僕は強く心に刻んだのです。

 

もっと、身近な事柄での『ピンチ即チャンス!』体験談を紹介しましょう。それは、『ザ・裏道発見!』です(笑)。僕は、花月創業の頃、田無市(現西東京 市)から高円寺まで車で通っていたので、毎日、青梅街道の渋滞に辟易していました。そうすると、人間は自然と裏道を探したくなるものです(笑)。ちょうど いい裏ルートを発見(?)しました。ほとんど青梅街道は通らなくても済む、貴重な裏ルートでした。この裏ルートの発見により、僕の睡眠時間は三十分も延長 されたのです(朝の三十分は大きな違いですよね…笑)。

 

しかし、ある日のこと、この裏ルートを走行中になんと、“工事のため通行止め”の標識が目の前に突然現れたのです!ショック…、そして、なんとも言いよう のない“妙な怒り”が体中からこみ上げてくるのでした(車の運転をなさる方は、このときの僕の気分をご理解いただけるとは思いますが…)。「何でよりによって、こんなところで工事してんのよ…」と、わけの分からないセリフを心の中で一人つぶやき、方向転換を余儀なくされました。しかし、このピンチは、僕 を苦しめて終わりかと思ったその矢先に、実はもっといい裏道が結果的に発見されたことは、一度や二度ではありません。「なんだ、こっちのルートのほうが全 然早いぞ!」。

 

おかげさまで、僕はかなりの裏道ルートの達人(笑)になりました。結果的にこの時もまた、「あ〜、これでよかったのだな〜」としみじみ感じるのです。「なんだ、人生は『ピンチ即チャンス!』じゃないか」と。


 その他、『ピンチ即チャンス!』の事例をあげていったら枚挙に暇がありません。


◎僕は子供の頃風邪をひきやすく、すぐに扁桃腺を腫らして学校を休んでいたからこそ、大人になって体調管理には人一倍気をつけるようになった(実際、ここ十年で風邪によりダウンしたのは三度くらいです)

◎僕は手先が不器用だったからこそ、インベーダーゲームにハマることがなく、ゲームオタクにならずに済んだ…(笑)

◎十数年前に尿管結石を患ったのをきっかけに、タバコをやめることができた…

◎元々太りやすい体質だったからこそ、体質改善をし、中年になった今もスリム(?)である…

◎失恋したからこそ、飲食ビジネスの素晴らしさを理解するきっかけができた…

◎ラーメンのことが良く分からない僕だったからこそ、客観的にラーメンを捉えることができ、ブランド化することができた…

◎売上が落ち込んだからこそ、嵐(寅)バージョン、新商品戦略、マルチコンセプトが誕生した… と、まあ〜色々あるわけです。

これに、著名人の方の人生や、歴史上の人物の人生を紐解いた結果を加えると、もう、世界中が『ピンチ即チャンス!』だらけです(笑)。


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前向きに人生を捉えよう!


 

冒頭で僕は、受動的か能動的かという違いだと述べましたが、『ピンチ即チャンス!』は自分自身が人生を前向きに捉えるならば、結果的に能動的になるのです。 この“前向き”という言葉が肝心です。決して後ろ向きな考え方や、単なる願望、希望、要望、などの“都合のいいお願い事頼み”だけでは、『ピンチ即チャン ス!』にはならないのです。ピンチ=チャンス!とするためには、いつも前向きに物事を捉え、前向きに対処することが出来る人にだけ、結果的に「これでよ かった!」となるような答えが待っているのです。これが『ピンチ即チャンス!』の醍醐味なのです。

 

一例をあげるならば、現ポールマッカートニー夫人であるヘザーマッカートニーさんの人生がまさに『ピンチ即チャンス!』そのものと言えるでしょう!元ビー トルズのポールマッカートニーが、前妻をガンで亡くされてからしばらくした後、ヘザーさんに出会うのですが、ヘザーさんは以前モデルを職業としていた頃 に、交通事故に巻き込まれ、片方の足を膝下から切断するという大変痛ましい経験をされたのです。モデルとしては、まさに『死刑宣告』をされたも同然でした…。

 

ここで普通、後ろ向きの考え方をする人ならば、相手を憎しみ、自分の人生を呪い、人生に絶望する有様が容易に想像できるのですが、彼女は違っていました。 彼女の性格は常に前向きだったのです!その後、彼女は義足をつけて歩けるようになると、戦争や事故に巻き込まれ、足を失った子供たちに、義足をプレゼントするためのチャリティー活動を始めます。さらに、戦争の悲劇の中でも最も悲惨な“地雷による暴発”によって、大勢の子供たちが命を失ったり、手足を失ったりしているという現実を知り、世界中から地雷そのものを無くそう!という活動に積極的に参加していくようになるのです。ここで、ポールマッカートニーと運命的な出会いをするのです…。

 

実はポールも以前からこの活動に積極的に参加していたからです。その後、二人が出会ってから恋に落ちるまでの詳しいいきさつは、僕もよくわかりませんが (笑)、とにかく、ヘザーという女性の人生にとって、ポールとの出会いは、積極的にこのような活動に参加したからこそ生まれた出会いであり、そのきっかけ そのものは、あの痛ましい事故であったわけです…。『ピンチ即チャンス!』というにはあまりにも“劇的過ぎる例”かもしれませんが、一つ言えることは、彼 女の前向きなものの考え方があったからこそ、そこからすべてのドラマが生まれたことだけは間違いありません!

 

人間は生きている以上、様々なことが起こります。何故なら、人間は一人で生きているわけではないからです。至極当然のことですよね。もし、「俺は一人で生 きている!」と思っている人がいるとすれば、それは“錯覚”または“勘違い”というものです。何故なら、人間は自分と他者との相関関係の中で、また、自分 と自然界との相関関係の中で存在しているからです。だからこそ、毎日色々なことが起きるのです。朝、出勤途中に道端で五百円玉を偶然発見することもあるだろうし、朝からのら犬に追っかけまわされることもあるだろうし…(笑)。人生は楽しいことも起きるし、嫌なことも沢山起きるわけです。まさに、会いたい人 にも会えるけれども、会いたくない人にも会っちゃうのです(笑)。

 

でも、『ピンチ即チャンス!』の概念を理解して、前向きに人生を捉えている人には、結果的にいい方向に人生が好転するのです。ピンチがピンチでなくなるのです。不思議なことですが、そういうものです。もっと言うと、そう考えた方が絶対的に楽しいのです、人生は…。これを厳密な論理で説明できたら本当に素晴らしいのですが、ちょっと難しいでしょうね…(笑)。ですから、『ピンチ即チャンス!』は、体験してもらうのが一番いいのではないでしょうか?(笑)。

 

※ 実は、この原稿を執筆している時に、僕のパソコンの誤操作から、な、なんと、執筆中の原稿が全部消滅してしまったのです…。原稿用紙にして四枚分です…。 これには正直、『ショック!…』などという言葉では言い表せないような虚しさ、やるせなさで、体中から気が抜けていく思いでした…。しかも、『ピンチ即 チャンス!』の原稿を書いているのに…。しかし、だからこそ、僕は前向きに、もう一度、一から原稿を書き直し始めたのです。それが、まさにこの原稿なので す。そして、この原稿消滅が『ピンチ即チャンス!』になったのか?と言うと、やっぱりこれが結果的に“好転”したのですね…。消えてしまった初回原稿より も、明らかに、グッと良くなりましたから…これでも(笑)。

 

社内報「Grow up Beatvol.26 平成18425日より

ロングセラーとベストセラー

 

ロングセラーとベストセラー

 

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ロングセラー商品って?

 

 

  以前、僕は新卒セミナーで「商品には大きく分けて二つある。ベストセラー商品とロングセラーの商品。どちらを目指すかはその企業の考え方によるが、花月ではロングセラー商品を目指して行く。『ニンニクげんこつラーメン』という商品には海外に通用する商品力と、ロングセラーを目指せる商品力があると思うが、 これをもっと磨きこんでいくとともに、第二、第三のブランドでもロングセラーを目指していくことに変わりはない。」と学生の前で熱弁を振るっていました。 この考え方は今でも全く変わっていません。いや、変わっていないというよりも、現在ますます確信を持って声高々に主張できると思っています。

 

それでは、そもそもロングセラー商品とはどんな商品なのか?ベストセラー商品とはどんな商品なのか?そして、その違いとは?

 

我々の身近にある商品で誰もがすぐに思いつくロングセラーの商品ってなんでしょうか?僕はいの一番に吉野家さんの牛丼を挙げます。創業から百年、いまだに 多くの日本人の食になくてはならない形で愛され続けています。例のBSE問題で一時姿を消してしまったけれども、その時のマスコミの騒ぎ方を見れば、「吉 野家さんの牛丼はやっぱり人気あるよな〜」と誰もが思ったことでしょう。

 

それから、ポカリスエットなんかもそうでしょう。僕の小、中学生の頃に登場した商品ですが、今ではスポーツドリンクの代名詞的存在になっています。大抵のホテルの冷蔵庫の中には、ポカリスエットが置いてありますよね。ちなみに、当時はスポーツドリンクの奔りとして、ゲータレードが体育会系の小学生に大流行 した頃で、運動会や遠足の時にはみんな欠かさず持ち歩いていたものです。というよりも、持ち歩くこと自体が、小学生としての最先端のファッションを行く 『証し』にさえなっていたのです(笑)。(確か当時は粉末状のものしかなく、それを水に溶かして専用のプラスチック容器に入れていました。)

 

また、コカコーラやオロナミンC、カップヌードル、カロリーメイトなどもそうでしょう(大塚製薬は、ロングセラー商品の宝庫である)。飲食以外に目を向けても、人生ゲーム、ボンドアロンアルファー、リーバイスのジーンズ等…、あげればキリがありません。我々の日常至る所にロングセラー商品は転がっているのです。

 

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 ベストセラー商品って?

 

 

  これに対して、身近にあったベストセラー商品とはどんなものでしょうか?記憶の新しいところでは、たまごっち(なぜか最近ブームが復活しているらしいが…)や、だんご三兄弟、ナタデココ、テツ&トモ(?)、さらに遡れば、およげ!たいやきくんやインベーダーゲーム、ルービックキューブ(コレも最近人気 が復活してきているが…)等…、これまたキリがありません…。

 

要するに、ジャンルを問わず、非常に幅広いカテゴリーにロングセラー商品もベストセラー商品もその足跡を残しています。そして、ともに共通している点は、「人気商品であることには変わりはない」ということです。

 

それでは、両者の違いはどこにあるのでしょうか?あらためて言うまでもありませんが、現在も現役バリバリで活躍している商品がロングセラー商品、それとは反対に、現在は影も形もなくなった(過去には存在していた…)に相応しい商品がベストセラー商品。要するに『長寿に今も生き残るか?』、逆に、『瞬間に生きて散るか?』、この人気商品としての『生き様の違い』だと思います。

 

勿論、ベストセラー商品からスタートして、そのままロングセラー商品として生き残る商品もあります。その代表例が、先ほどの日清のカップヌードルや、ソニーのウォークマン。音楽業界で言えば、なんといってもビートルズがその筆頭でしょう。それとは逆に、時間をかけて徐々に人気に火がつき、そのままロングセラー商品として定着する商品もあります(意外なようですが、ガンダムはこれにあてはまるらしいです)。その辺りの違いは、商品特性にもよるし、商品カテゴリーの違いにもよるので様々ですが、とにかく『生き残るか?』、『瞬間に生きて散るか?』この違いです。

 

では、この違いそのものはどこから来るのでしょうか?何故、商品によってこのような違いがあるのでしょうか?商品自体に予め運命付けられた宿命なのでしょうか?ここの理解が一番重要です。僕なりに考えるに、いくつかのポイントがあります。

 

1ロングセラー商品は、そもそもそのカテゴリーの先駆者的役割を担った商品である場合が多い。

2ロングセラー商品は、我々の日常になくてはならない何らかの『普遍的な価値』を提供してくれる。

3ベストセラー商品は、そもそもメディア誘導型の商品で最初から商品価値そのものがないに等しかった。

4ベストセラー商品は、時代の波に乗ったはいいが、その波の最先端に留まりすぎた為に、その波から振り落とされてしまった。  

5実は、双方ともに商品そのものにはたいした違いなどはなくて、全ては販売戦略上のマーケティング手法(技術)のレベルの差による違いにすぎない。

 

これらのポイントは全て仮説にしかすぎませんが、その中でも23は ある程度の説得力を持つと思います。何故なら、現実に必要とされている(商品価値がある)からこそ、ロングセラー商品はその名前の如く長期間に渡り親しまれているのであり、また逆に、必要とされていないもの(商品価値がないもの)でも、メディアの巨大な影響力により、それがさも必要であるかのような錯覚を我々は起こす可能性が十二分にありえると思うからです(※先ほどあげたベストセラー商品の例がこれに当てはまるというわけではありませんが…)。

 

いずれにしても、ここに上げた仮説やそれ以外の仮説にせよ、現実として双方の商品の『生き様の違い』があるわけですから、そこには必ず何かしらの原因があるはずです。まあ、これがわかったら誰も苦労はしないわけで(笑)、わからないからこそ明日のロングセラー商品、ベストセラー商品を目指してありとあらゆる商品が市場に流れてくるのでしょう。勿論、そのどちらの商品にもなれずに、市場から消え去って行く商品が実際にはほとんどなわけですから、たとえベストセラー商品として短命に終わったとしても、それはそれで誇らしいことだと思います。ですから、開発者はベストセラー商品の生みの親として十二分に胸を張るべきです。

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嵐げんこつらあめん(ニンニクげんこつラーメン)はどっち?

 

 

  さて、花月の場合で当てはめるとどうでしょうか?冒頭で、新卒セミナーの時の内容を紹介しましたが、何故、僕は花月のニンニクげんこつラーメンがロングセ ラー商品を目指せる商品力があると考えるのでしょうか?確かに、このラーメンの高い可能性を感じたのも僕であり、このラーメンを作り上げたのも僕自身でありますが、所謂、生みの親による愛着心からそう考えたわけではありません。論理で説明するのは難しいのですが、先ほどの仮設で言えば2に近いと思います。『普遍的な価値』についてはこの後別に詳しく書いていますが、我々の日常になくてはならない何かを持っている商品(ラーメン)がニンニクげんこつラーメンだと思うのです。

 

普通、ラーメンは食べ物ですから、「おいしい!」とか、「まずい!」という表現でその価値を語られることがほとんどでしょうけれども、このラーメンはそれだけでは語れない何かがあるのです。お客様からのアンケートハガキが僕の元へ毎日届けられるのですが、それをみると不思議なコメントが数多く寄せられているのに驚かされます。それは「私は今まであまりラーメンを食べなかったのですが、花月さんのニンニクげんこつラーメンを初めて食べてそのあまりの美味しさに、私もすっかりラーメン好きになりました!」「うちの子供はラーメンが嫌いなはずなのに、花月さんのニンニクげんこつラーメンだけは何故かいつも『食べ に行きたい!』というのです。

 

「親の私も不思議でしょうがありません…」「元々、とんこつ系のラーメンが嫌いな私でも、花月のラーメンだけは美味しくいただけます!」…等のコメントを読む と、一様にラーメンがさほど好きでないお客様が『花月のラーメンだけは好き!』と答えてくれているのです。これはいったい何を意味するのでしょうか?ここ にニンニクげんこつラーメンの不思議な魅力を解くカギが隠れているのではないでしょうか。では、そのカギとは…?

 

結論的に言えば、ニンニクげんこつラーメンはラーメンというカテゴリーに一応属しているけれども、実はそうではなくて、ニンニクげんこつラーメンという新たな価値あるカテゴリーを自らが創造しているのでは?と僕は直感的に思うのです。「ラーメン自体が価値を創造するなどとバカなことを言うな!」と怒られそうですが、これが僕の結論なのです。

 

要するに、ラーメンではあるけれども、お客様はそういう意識で食べるのではない…、そこにラーメンというジャンルを超えて、新たな価値を感じていただいているからこそ、ロングセラー商品としての素養を僕もニンニクげんこつラーメンに感じとっているのです。さらに言えば、時代の変遷に巻き込まれること無く、 平然と、颯爽として、いつ、いかなる時にも『新価値創造ラーメン』として、広く愛される存在…、『それがニンニクげんこつラーメンだ!』と僕は確信しているのです。

 

自動車の世界でも似たような大変有名なセリフがあります。フランスのシトロエンという自動車メーカーにあてたセリフですが、『世の中には二種類の車しか存在しない。シトロエンかそれ以外かだ…』。勿論、実際は数多くの種類の車が存在しているわけですが、その中でもシトロエンはユニークな自動車メーカーとしてその名を知られており、何から何まで独創性豊かな個性溢れる車作りをしていたことからこのようなセリフが残されているのでしょう(最近はその個性もだいぶ薄まってしまったため、往年のファンからは多少、冷めた目で見られる傾向にはあるようですが…)。要するに、シトロエンという自動車メーカーが作る車には、自動車というカテゴリーでは捉えきれない程の『新価値創造』を伴っていた、と言えると思います。

 

決して、ニンニクげんこつラーメンとシトロエンを同格に扱うつもりは毛頭ありませんが、他のジャンルの商品でも、このような新価値創造を伴うロングセラー商品になりうる例は、恐らくいくらでもあることでしょう。

 

 カテゴリーやジャンルをブレイクスルーすることにより他とは一線を引いた、個性豊かな商品が認められ、結果としてロングセラー商品として我々の日常に独自のステージを確立する…。これがニンニクげんこつラーメンの商品力そのものだと僕は本気で思うのです。

 

 実は、僕という人間は本質的に怠け者です。自分の性格的なことは自分で一番分かっているつもりなので絶対に間違いありません!(なにより毎朝、ヒゲを剃るのでさえも決死の覚悟で望むぐらいですから…笑)。

 

  しかし、だからこそロングセラー商品(ロングセラーブランド)を僕は目指したのです。花月創業の時にはこれしか頭になかった、といっても決して言い過ぎではないくらい、ロングセラー商品としてのラーメンとは何か?を考えていたのです。何故ならベストセラー商品を目指すのは、とても面倒くさい仕事だからです (笑)。常に世の中の動向に左右され、たとえヒットしたと思っても、すぐに次のブームが来てしまい、いつの間にか誰からも忘れ去られてしまう哀しい存在… (ラーメン業界でいえば十四、五年前の喜多方ラーメンブームがその典型でしょう)。そこでまた仕方なく新たなヒット商品を目指して商品開発をするなり、仕掛けをするなり…。正直、怠け者にとってはとてもつらい作業です…。別につらいと思わない人には全然問題ないのですが、僕は正直、いやでした。だから主力のラーメンだけはロングセラー商品にすることをマジメに考えていたのです。

 

  これは良いとか悪いとかの問題ではありません。ビジネス上の戦略の問題であり、どう判断するかにかかっています。勿論、生み出したニンニクげんこつラーメ ンがそれに値する商品に育つのか?ということは誰にも予測し得ないことですし、まだハッキリと答えが出たわけではありませんが、少なくとも当初から意識的 にせよ、無意識的にせよラーメンにおけるロングセラー商品を僕がイメージしていたのは確かなのです

 

社内報「Grow up Beatvol.24 平成171225日より

パズル理論

 

パズル理論

 

 子供のときに、ジグソーパズルで遊んだ経験をお持ちの方も多いと思います。女の子だったら、ディズニーランドのキャラクターの絵とか、かわいい動物たちの 絵、男の子だったら、乗り物の絵とか、仮面ライダーなどの人気キャラクターの絵など、色々なパズルがおもちゃ屋さんには並んでいました。

 

 パズルの面白さは、バラバラになっているピースを一つ一つ組み合わせて、最終的に一枚の絵に仕上げるという、その工程の楽しさにあると思います。我々飲食店における店舗運営も、このパズルの絵を仕上げるのと全く同じだというのが、今回のお話です。

 

 

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飲食店経営(運営)はパズルのピースを埋めることと考える

 

 

  よく、飲食店運営(経営)の話と言うと、QSCVとか、コストコントロールとか、ストアーマネージメントなどの、いかにも難しそうな用語(笑)が並びます が、そう考えるのではなくて、飲食店運営(経営)とは、パズルのピースを一つ一つ淡々と埋めていきながら、最終的に“一枚の絵”を完成させるのと同じだと 考えれば、とてもわかりやすいのです。

 

  例えば、花月の新店舗がオープンするときは、もちろんこの絵はまだ完成してないわけです。特に、花月のことを知らない地域に出店する場合などはなおさらで す。お客様からみたら、『花月って、どんなラーメン屋さんなんだろう?』『何が美味しいのかな?』『サービスはどんな感じなんだろう?』と、まだ“ラーメ ン花月の完成した絵”をお客様には見せていない状況が、オープン時なのです。そこからスタートして、一日も早く『お客様、ラーメン花月の完成した絵はこう です!』と自身を持って言える様にするためには、一つ一つのピースを着実に埋めていけばいいのです。決して難しく考える必要はありません。

 

  飲食店運営(経営)におけるパズルのピースは、具体的に言えば、『調理というピース』であったり、『接客というピース』であったり、『清掃というピース』 であったりするわけです。さらにその中でも、細かいピースに細分化されます。調理で言えば、『麺の湯切り方というピース』だったり、『背脂の振り方という ピース』だったり、『レードルの使い方というピース』であったりするのです。接客で言えば、『オーダー確認というピース』、『キッズセット先提供という ピース』、『両替をしたら手を洗うというピース』等です。それらがマニュアル通りにできているかを一つ一つチェックしていくのが、パズルのピースを埋めて いくという作業なのです。

 

  ところが、実際にはこれができていない店舗が、SV訪店報告書によく見受けられます。所謂、Cマイナス以下の店舗です。その典型的なパターンが、例えば、 調理というピースはしっかり埋まっているけれども、清掃というピースが抜け落ちていて店が汚いとか、清掃というピースは埋まっているけれども、接客という ピースが埋まっていなくて、店内の雰囲気が暗いとか、接客というピースはOK!で素晴らしいのに、調理オペレーションというピースがどこかに飛んでしま い、メチャクチャなラーメンが提供されてしまうとか…。

 

  要するに、これらの現象は、本来の飲食店運営(経営)ならば、良い点悪い点を含めた店舗の全体像を正確に把握しながら、一日も早いパズルの完成を目指すべ きなのに、ある一部分的なところばっかりのピースを埋める努力はするけれども、それ以外のまだ未完成な部分がいっぱいあって、そこにもピースを埋めていく 努力をしなければ、店舗のパズルとしての完成には程遠いにもかかわらず、あたかも『店舗のパズルが完成した!』かのような錯覚をし、喜んでいることと同じ なわけです。

 

 

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ピースはバランス良く埋める

 

 

  『一枚の完成したパズルの絵』という視点から見れば、たった一つのピースが欠けていても、パズルが完成したとは言えないはずです。しかし、現実の店舗は “生き物”ですから、いつも100パーセント完成したパズルの絵をお客様に見ていただくというわけには、なかなかいきません。勿論、それを目指していくの ですが、例えば、人材の入れ替わりによるサービスの低下や、オペレーション変更による調理レベルの一時的ダウン、店舗の老朽化や、備品の破損などにより、 パズルのピースはその都度、埋めたり欠けたりの繰り返しになるのです。根気よくこれを繰り返していくビジネスが、飲食店運営(経営)なのです。さらに、パ ズルを埋めていくプロセスにおいては、いくつものピースをバランスよく埋めていった方が、より賢明です。

 

  例えば、ディズニーランドのパズルでも、ミッキーマウスの耳の部分のピースだけを一生懸命埋めたとしても、それ以外の部分もちゃんと埋めなければ、それが ミッキーマウスなのか、それとも“ただのネズミ”(笑)なのかがわかりませんよね?シンデレラ城にしても、バランスよくピースを埋めなければ、それがシン デレラ城なのか、それとも“ドラキュラ城”なのかが、見ている人にはわからないわけです(笑)。ミッキーマウスもいて、シンデレラ城もあって、はじめて 『これはディズニーランドの絵だ!』とわかるわけです。

 

  それと同じ意味で、調理というピースが埋まっても、清掃というピースが埋まっていなければ、お客様からは決して完成した絵には見えないわけですから、“な んとも言えないおかしな店”という印象を持たれるわけです。それにもかかわらず、『俺の店はいい店だ!』『味がよければ、掃除などは“そこそこ”でも、お 客は来るってもんだ!』『忙しいときに笑顔で接客などできるか!』『盛り付けの手順なんかどうでもいい!』と勝手に解釈をし、ピースを埋める作業を自ら放棄して、歯抜けだらけの、ピースが欠けたままの無残なパズルの絵を、恥ずかしくも無くお客様に見せておいて、平気な顔でいる店舗が実際にあるわけですか ら、まさに“自己満足型傲慢店舗運営(経営)”そのものです。

 

  我々にとって大事なことは、自分の店舗は、いまどこのピースが埋まっていないのか?調理のピースはどこが欠けているのか?接客のピースはどこを埋めなければならないのか?等を、いつもしっかりと把握して、足りないピースをいち早く、しかもバランスよく埋めていく努力をすることなのです。これこそが、飲食店 運営(経営)の醍醐味なのです。お客様は、“完成したパズルの絵”をみたいのであり、歯抜け状態のパズルの絵は見たくないのです。何故なら人間は、未完成 のものには生理的に嫌悪感を抱くからです。不安を感じるといってもいいでしょう。ミッキーマウスだと思って近づいていったら、ただのネズミだった…という のは、できるだけ避けたいのです(笑)。人間とはそういう生き物なのです。

 

  ですから、いくら調理オペレーションが優れていても、トイレの清掃というピースが抜け落ちていれば、お客様はそこから推測して、『このお店、ラーメンは美味しいけど、ちゃんと食材の衛生管理しているのかしら…?』と感じてしまうものだし、いくら隅々まで清掃が行き届いていても、「いらっしゃいませ」もなけ れば、「ありがとうございました」もないようであれば、『お店は綺麗だけど、なんか冷たい感じだよね…俺たちに来てほしくないのかな…?』などと思ってし まうだけなのです。

 

  我々の飲食ビジネスにおいて、お客様からこのように見られてしまうのは致命傷です。お客様は、少しでもパズルのピースが埋まっている、完成した絵に近いお店に行きたいわけですから、五割のピースしか埋まっていないお店よりも、七割のピースが埋まっているお店の方に、より“安心と魅力”を感じるわけです。結 果的に、これらがライバル店にお客様を奪われてしまうという状況における“決定的な根源要因”です。現在の外食店飽和状態での市場原理でいえば、ごく当たり前のことです。

 

 

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飲食ビジネスの盲点・死角

 

 

  今年から、東京ヤクルトスワローズは、“古田プレーイング・マネージャー”という新体制のもと、ペナントレースに臨んでいます。プレーイング・マネー ジャーというのは、現役の選手でありながら監督業もこなす、言わば選手兼監督という“二足のわらじ”を履く、とても難しいポジションです。

 

  僕は飲食ビジネスにおいても、店長ないし店舗責任者というポジションが、このプレーイング・マネージャーとある意味とても似ていると思います。“管理だ け”していればいいのではなくて、店長自ら店舗全体のオペレーションの指揮を執り、模範となるような営業を、店舗スタッフと共に実施していかなければなら ないからです。しかし、それ故に、自分の店舗における客観的な視点、要するに、どこのピースがいま欠けているのか?ということが、あたかも巨大迷路に迷い 込んだかのごとくわからなくなってしまう危険性も、現実にはあるのです。

 

  清掃は毎日きちんとやっているはずが、看板下のくもの巣には気がつかないというように、自分の得意な部分のピースは埋めているけれども、比較的苦手な部分 でのピースは、無意識のうちにおざなりになってしまうということが、十二分にありえるわけです。これが、プレーイング・マネージャーの盲点・死角です。そ こで、この盲点を素早く見つけ出し、欠けているピースを埋めるアシストをするのが、スーパーバイザーの仕事になるわけです。言うなれば、完成した一枚のパ ズルの絵という、より良い店舗を作るための“共同作業”が、店長とSVとの関係に求められているのです。どう考えても、そこには、敵対的関係の構図などありえません(笑)。

 

 

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飲食店ビジネスは『掛け算』ではなく『足し算』である!

 

 

  結局のところ、我々の飲食店運営というビジネスは、完成したパズルの絵を一日も早くお客様にお見せすることを夢見て、夢見て、夢見続けることが、楽しくて、楽しくて仕方がないという人が携わるビジネスであり、一枚一枚のパズルのピースを淡々と埋めていくことがなにより“快感”だと思うようにならなければ なりません。よく、『ビジネスは掛け算だ!』と言われますが、飲食店運営ビジネスに限っては、『足し算である!』というのが僕の考えです。コツコツ、地道 に、一歩ずつ、着実にパズルのピースを埋めていければそれでいいのです。冒頭にも述べましたが、難しく考える必要はありません。ピースを埋めたのか?埋めてないのか?ただそれだけです。埋めてないピースは埋めればいいのです。

 

  なにもそこには掛け算は必要ありません。オセロゲームのような『一発大逆転!』的な発想に憧れているようでは、看板下の“くもの巣”に気がつかなくなって しまうのです。トイレのロール紙が補充されていないことに気がつかなくなってしまうのです。我々のビジネスは、決して博打ではありません。誰もが望むべき 当たり前のことを、当たり前に、真面目に坦々とこなしていくことこそが、我々のビジネスの真骨頂なのです。どんな天才がいても、バラバラなパズルのピース を一瞬にして埋めることができないように…


社内報「Grow up Beat」vol.28 平成18年8月25日より


 

天然ブランド・養殖ブランド

  

天然ブランド・養殖ブランド

 

  みなさんは、天然物のうなぎと養殖物のうなぎとでは、どちらのほうがおいしいと思いますか?一般的には天然物のうなぎのほうがおいしいと思いますよね。で は、天然物と養殖物は何が違うのでしょうか?天然物とは、まさに自然の恵みそのままの状態で生まれ、育つことをいいます。生まれながらにして持っている天性とでも言いましょうか。これに対して、養殖物とは、人為的な操作によって、増やし、育てられた物のことを言います。別に、どちらが良いとか悪いとかをここで言うつもりはありません。ただ、両者には“違いがある”ということを、ここでは言いたいのです。今回のテーマである『天然ブランド・養殖ブランド』の お話もこれと同じです。

 

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自然体の気持ちでお店を育んだ天性のブランド

 

 

我々のビジネスのベースになっているのは、フランチャイズシステムです。加盟希望者を募って全国展開(花月ブランド・CHABUTONブランド他)を目指しているわけですが、その有力な反響元になっているのが、“FC独立開業等の大規模フェア”です。

 

 ある日のこと、我が営業部のメンバーが、そのフェアから帰社するなり、天を見上げて嘆いているのです…。『次から次へと新しいFC本部が出現して、加盟希望者の選択肢が増えてしまったんです…。もう昔のような反響は期待できない…。時代は変わってしまったんです…。』これを聞いて、僕の頭に真っ先に浮かんだのが、この『天然ブランド・養殖ブランド』という言葉でした。僕から言わせれば、確かにFC本部は、以前にも増して増殖しているのかもしれませんが、その中で、“天然ブランドを掲げて店舗開発を目指しているFC本部”が一体いくつあるのでしょうか?逆に言えば、養殖ブランドで勝負に出ているFC本部の方が、今はほとんどなのではないでしょうか?


  『天然ブランド・養殖ブランド』という言葉は、先ほどの天然物・養殖物のうなぎの違いと同じような意味で使うようになった、僕のオリジナル・ビジネス用語 です(笑)。天然ブランドとは、らあめん花月や吉野家、マクドナルドなどがその代表タイプで、『開業当初は、あくまでも単なる個人経営のお店であり、純粋 に美味しいものを作ってお客様に喜んでもらいたいという、シンプルで欲のない、自然体の気持ちでお店を育んだ天性のブランド』と僕は定義します。

 

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ビジネスモデルありきのブランド


 

  また、養殖ブランドとは、ちりめん亭、フレッシュネスバーガー、牛角などがその代表タイプで、『まず始めにビジネスモデルありきで、どのような業種がいい のか?そこには、どれだけのマーケットがあるのか?そして、どのようなブランドを造ればいいのか?そこから、どれぐらいの収益があるのか?一号店の出店地 区はどこがベストか?…などを“緻密に計算”し尽した上で、当初から多店舗化を大前提としたスタートを切るのが養殖ブランド』と定義します。

 

  両者の違いは、要するに、『ビジネスモデルありきの“人為的に造られたブランド”かビジネスモデル云々以前の、創業者が、お客様のため、自分自身のために “純粋に作ったブランド”かの違い』だけです。これもどちらが良いとか悪いとかの問題ではありません。ただ両者には、“生い立ちの違い”があるだけです。

 

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天然ブランド代表選手

 

 

 そこで、天然ブランド代表選手である吉野家さんの生い立ちをちょっと紹介します。吉野家発祥の地は、東京・日本橋の魚市場で、1899年(明治32年)、大阪生まれの松田栄吉氏が、当時一般家庭で食べられていた『ぶっかけ飯(牛肉の細切れを煮込んだものをご飯にかけたもの)』を『牛丼』として売り出したのが最初でした。

 

 その後、関東大震災(1923年)によって店は焼失。築地の魚市場に移転して再スタートを切ったが、戦火でまたも焼けてしまうのです。戦後しばらくは、屋台で営業していたのですが、やがて築地に戻ってきます。この築地店は、今も同じ場所にあるのですが、10坪ほどの広さに1520程度の席数があり、主な客層は築地の魚市場で働く人たちでした。彼ら築地で働く『食のプロたち』を相手に、『おいしい牛丼の店』という吉野家の評判を定着させるのです…。

 

 この築地店が、現在の吉野家へと続く、小さなステップの始まりでした。このときは、まさか吉野家が1000店舗近くまでも展開できるとは、誰も想像できなかったことでしょうし、ましてや、吉野家で牛丼が食べられなくなる事態が起きるとは…ですよね(笑)。

 

  僕の考える天然ブランドとは、結果的に、お客様にとって必要不可欠な存在として、永きに渡って歴史に名を残す運命にあるブランドだと思うのです。どうして そうなるのかは、誰にもわかりませんけど…(笑)。勿論、天然ブランドの全部が全部そうなるわけではありません。ほんのごく一部です。ほとんどの場合は、 一店舗しかないブランド=パパママストアで終わってしまうのです。

 

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養殖ブランド代表選手

 

 

 では、養殖ブランドの代表選手である『牛角』さんの生い立ちも紹介します。以下は、西山社長のインタービューの抜粋です。

 

2030代 前半の人たちが食べに行きにくいお店は何かなって調べてみたんです。そんな時、たまたま社員たちに誘われてある焼肉屋さんに行ったら、行列が出来てたんだ けど、立地がすごく悪い上に、肉も硬いし、サービスも凄く悪かった。でも安い。なんでこんなお店が流行るんだろうと思って調べてみると、焼肉のマーケッ トって1年間に5700億円ぐらいあって、その中に7200軒のお店があることがわかったの。更に、その内の3200軒は個人経営だったの。つまり、パパママストアが多いから、なかなか企業努力が成されない。』

『唯一あるチェーンの叙々苑は、美味しいけど高いし、他のチェーン店さんは、安くても味が今ひとつだったりする。そう考えると、2030代 の人が行く焼肉店が一軒もないんじゃないかって気付いた。だから、その人たちが行ける店をつくろうと思った。そして、そういった人達が一回の食事で支払え る限度額は、2800円ということが統計で出ていたので、それなら2800円以内で、その人たちに好まれる内装で、喜んでもらえるサービスにしたら絶対流 行ると確信した。それで牛角を作ったの。今は女性同士でも焼肉屋に行くでしょ。牛角が出来る前は、女性同士で焼肉って選択肢になかったんですよ。男性同士 か、おじさんたちか、お金持ちが食べに行くかだったけど、そこに新しいマーケットを見出すことができた。』

 

  『牛角』の場合は、まさに“最上級の養殖物”、“キング・オブ・養殖物”といっても過言ではありません(笑)。この『牛角』の大成功を見てもわかるよう に、養殖ブランドだからダメだとか、天然ブランドに比べて上手くいかないとか、そんなことはありえません。魚でも、その種類によっては、天然物を凌ぐ美味 しい養殖物の魚もあるくらいです(年々養殖の技術も改良され、レベルが上がっているからです)。

 

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天然ブランドとしての“誇り”を持とう!

 

 

 僕が声を大にして言いたいのは、天然ブランドは天然ブランドとしての“誇り”を持ってほしいのです。そして、養殖ブランドは、より緻密にビジネスモデルを構築して、“成功の精度”を上げてほしいのです。

 

  最悪なのは、天然ブランドでありながら、新興勢力としての養殖ブランドに憧れてしまい(隣の芝生が美しくみえるように…)、戦う前から白旗を振ってしまう ような、そんな軟弱な精神でもって、『うちも、一応多店舗展開をやっていますけど…』というような、愚かな営業姿勢に自ら陥ってしまうこと、それ自体です。

 

  また、養殖ブランドによくみられるダメパターン及びその問題点は、始めにビジネスモデルありきが絶対の価値だと勝手に勘違いをして、ありとあらゆる情報を 調べ上げ、そこから造り上げた広大夢想の夢物語のようなビジネスプランに、まだ構想途中の段階から自ら酔いしれ、そして埋没し、その結果、現実のお客様を 一切無視した“超自己満足型空理空想ビジネスモデル”を開発・上梓しただけなのにもかかわらず、自分自身が、あたかもアカデミー賞を狙う映画の主役に抜擢 された若きハリウッド・スターが撮影を終え、レッドカーペットを歩いている自分自身を想像しながら、ヨットで余暇を過ごしているかのごとく、『俺のブラン ドは大成功間違いない!』と、勝手に錯覚・勘違いをしている輩が後を絶たないことです…。

 

  そして、このような輩が造ったであろう養殖ブランドが、町のあちこちに増殖・氾濫していることなのです。次から次へと竹の子のごとく出店している飲食店の ほとんどが、このパターンの養殖ビジネスモデルです。出店するのはかまいませんが、その結果、困るのはお客様なのです。なぜなら、オープン当初は、その店 が、ダメ養殖ブランドのお店なのか?…は、 まだハッキリとわからないからです。オープンのときは、厚化粧の上に厚化粧をしていますから(笑)、まだ誤魔化 しが効くのです。何度か足を運んでみて、初めてその素顔に気がつくのです(笑)。我が花月のスーパーバイザーのメンバーにも、この厚化粧にすっかり心奪わ れ、やられちゃった男が、かつてはいましたけどね…(笑)。

 

社内報「Grow up Beatvol.29 平成181025日より

マルチコンセプト戦略Ⅰ モノコンセプト・マルチコンセプト

 

マルチコンセプト戦略Ⅰ モノコンセプト・マルチコンセプト

 

  最近、「花月のコンセプトがブレていないか?」「あやふやだぞ?」「ニンニクげんこつラーメン1本で勝負すべきだろう」等の話を社内外から耳にすることが あります。恐らく、現在の新商品戦略や、キャンペーンなどに対する不安や不満からこのような考え方が広がり、混乱しているのではないかと思われます。

 

 「混乱しないためには、花月のコンセプトをしっかり明確にしたほうが良いのではないか?」と考えてしまう人もいるでしょう。しかし、本当にそうでしょうか?そもそもコンセプトとは何でしょう?

 

 結論から先に言うと、花月のコンセプトは、“コンセプトが時代の流れとともに変化していくコンセプト”なのです。または、“マルチコンセプト”と言っても良いでしょう。では、「マルチコンセプトとはいったい何だ?」という疑問に、具体的に述べていきたいと思います。


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ラーメン界のスター

 

 

 そこで1つ質問があります。『土佐っ子・なんでんかんでん・恵比寿ラーメン・香月・ホープ軒・一心etc』これは、全てラーメン店の名前です。ただのラーメン店ではなく、ある1つのグループにまとめられます。さて、何のグループでしょうか?

 

 答えは、このラーメン店に共通していることは、以前は相撲に例えると、横綱や大横綱級の大人気ラーメン店であったということです。ラーメン界のスターでした。

 

 では現在、上記のグループはどうなっているでしょうか?『土佐っ子→十両』『なんでんかんでん→大関』『恵比寿ラーメン→前頭』『香月→大関』『ホープ軒→関脇』『一心→小結』。多少の独断を許してもらえるならば、こんなところでしょうか。

 

 では、2つ目の質問です。『ちゃぶ屋・武蔵・中村屋・渡なべ・俺の空・支那そばや・一風堂・一蘭etc』このラーメン店のグループは、どんなグループでしょうか?

 

 答えは、現横綱・大横綱級のラーメン店です。現在のラーメン界におけるスターたちです。

 

 さあ、3つ目の質問です。1つ目の質問のグループをA、2つ目の質問のグループをBとします。Aグループは何故、Bグループにスターの座を奪われてしまったのでしょうか?AグループとBグループは、一体何が違うのでしょうか?

 

  正解は、Aグループは、旧コンセプトのラーメン店。Bグループは、ニューコンセプトのラーメン店。さらに言うと、Aグループは、モノコンセプト。Bグルー プは、マルチコンセプトという違いです。もう少し分かりやすく説明すると、Aグループは5〜6年前までは、確かにラーメン界のスターたちでした。しかし、 もはや時代遅れの店になってしまったのです。何故か?モノコンセプトの店作りだったからです。モノコンセプトとは、要するに“単一のコンセプトしか持って いない”ということです。『なんでんかんでん』ならトンコツラーメンとか、『恵比寿ラーメン』ならシンプルな醤油ラーメンとか、単純に「私の店のコンセプ トはこれです!」と言えてしまう店のことです。

 

Aグループの店主たちは、“自分のラーメンは旨い=お客様に支持されている”と思っていたことでしょう。確かにその通りです。ただ、それだけで一流の店であり続けることが、実は非常に困難であることに気が付かなかったのです。

 

 それに変わって登場してきたのが、Bグループです。Bグループの特長を挙げると、BGMで JAZZを流す、女性受けするような清潔でおしゃれな内装にする、デザートを出す、季節商品を出す、ユニフォームを洒落たものにする、ベースボールキャッ プをかぶる、会員制にする、店主自らタレント活動をするなどなど。彼らは、今までのラーメン店(モノコンセプト)が考えもしなかったような新しいコンセプ ト(マルチコンセプト)を引っさげてラーメン界に登場し、モノコンセプトのラーメン店のイメージ(常識)を完全に打ち壊してしまったのです。

 

 これらの流れは、ここ56年 の間に変化してきたことですが、ここで最も重要なことは、Aグループは、まさかこのような変化がラーメン界に起きるとは、夢にも思っていなかったというこ とです。味が良ければお客様は来てくれる、旨いラーメンがコンセプトそのものだと信じて疑わなかったことでしょう。しかし、時は流れます。人の気持ちも変 わります。今現在のコンセプトが、未来永劫まで続くと思い込むほど、危険なことはないのです。



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コンセプトの行き詰まり!?

 

 

 たとえば、23年 前にブームを巻き起こした、『シナボン』というチェーン店があります。一番の売りであるシナモンロールを中心に、吉祥寺から店舗数を増やしていきました。 さらに行列ができることで女性雑誌などに頻繁に取り上げられ、一世を風靡したかに見えましたが、現在はどうでしょうか?吉祥寺店はもう存在していません。 フジテレビのあるお台場にもお店がありますが、以前のような行列は全くありません。お客様もまばらにしかみえません。女性誌に取り上げられることもなくな りました。これはモノコンセプトが行き詰まるとどういう結末になってしまうのか、という典型例だと思います。

 

  甘くておいしいシナモンロールの目新しさが薄れてしまうと、もう何も残りません。シナボン=シナモンロールという単純明快なモノコンセプトによる店舗運営 は、それゆえに爆発的ヒットをとばすことが可能であった反面、それゆえに行き詰まってしまい、自らの首を締めることになってしまったのです。

 

逆 の例を挙げれば、今ファーストキッチンでは、新商品として“讃岐うどん”を販売しています。僕は、荻窪にあるファーストキッチンの前を通りかかり、この宣 伝のタペストリーを目にしたとき、正直、「ハンバーガーショップがうどんを出すなんて信じられない。誰が食べるのか?うどんを食べたければ、うどん屋に行 くだろう。」と呆れてしまいました。ところが現実はどうでしょうか?この“讃岐うどん”が、売れに売れているのです。

 

  現代のハンバーガーショップを利用する若い女の子やOLたちは、ハンバーガーショップでうどんを食べることに何ら躊躇することがないということです。これ が時代の変化です。決定的な変化です。ファーストキッチンの本部が、そこまで計算してうどんを投入したのかについては分かりませんが(恐らく、単に讃岐う どんブームにあやかったのでは?)、いずれにしても、ここまでの反響があるとは予測していなかったことでしょう。結果的に僕の感覚は、この点に関していえ ば、時代の変化にマルチ対応できなかったことになります。さらに、この問題は飲食店だけにあてはまるわけではありません。

 

 

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ビートたけしとタモリ

 

 

  ビートたけしを知らない人はいないでしょう。彼は漫才師(ツービート)からスタートしました。覚えている方も多いでしょう。漫才ブームが日本中に巻き起 こったときです。しかし今、ビートたけしのことを漫才師と呼ぶ人がいるでしょうか?もはや押しも押される日本を代表する映画監督の一人です。漫才からス タートしたのは事実ですが、彼はそこにとどまることに不安を感じたのではないかと思います。

 

「漫才ブームがいつまでも続くわけがない。」「漫才ブームの終わりとともに自分が終わっちゃっていいのか?」。そう考えて彼は、芸の幅を広げ、役者や作家、映画監督などに挑戦し、新しいビートたけし像を自ら作り上げていったのだと思います。

 

 タモリもそんな人です。元をたどれば、イグアナのものまね(笑)で登場したのが始まりでした。しかし、今はそんなことはしません(笑)。立派なマルチタレントとして情報番組や歌番組など、ジャンルを問わず活躍しています。

 

  二人に共通していることは、モノコンセプトでは稼げなくなるということを骨身にしみて感じ取っていたということです。時代に合わせて変化対応することによ り、一日でも長く自分の人気を保ちたいとちゃんと計算していたのです。彼らの影に隠れて、モノコンセプトからスタートしてそのまま名も無く消えていったタ レントたちがどれくらいいることでしょう?彼らは、モノコンセプトからマルチコンセプトへ変化することができなかったのでは?と思います。(余談ですが、 はなわやテツandトモもこの先どうなるのでしょう?)

 

  誰でもモノコンセプトで勝負して勝ち続けていけるのであれば、手間も掛からずに簡単だし、こんな楽なことはないでしょう。しかし、現実は違うのです。少し 難しい表現になりますが、市場はお客様が決めるのであり、お客様のニーズに合わせて、自分たちは変化していかなければならないのです。ここで大事なこと は、変化することで時代に対応していける資格が、誰にでもあるわけではありません。その資格があるのは、根源的にしっかりした1本の柱を持っていることが 絶対条件です。中身があるかどうかが重要なのです。

 

 

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どんな時代でも勝ち続けるために!

 

 

  花月には、『ニンニクげんこつラーメン』というメイン商品がある。しかも、ロングセラーになりうる可能性のラーメンである。だからこそ、時代に合わせて外 側は変えればいいのです。中身があるからこそ、外側はチェンジしていくのです。元々中身がないのに、外側だけを変えても意味がありません。しっかりした中 身があるからこそ、衣装は変えるのです。仮に、僕がスーツからTシャツとGパンに着替えても、僕の中身は変わることはありません。そのようなものです。

 

  コンセプトという言葉は、一見すると美しい響きを聞くものに与え、コンセプトが変化するというのはよくないことだと思われがちですが、事実はそうではない のです。何事も表面的な見方をすればそのように見えてしまいますが、事実(真実も)は、表面的な部分だけであるとは限りません。何が起きても不思議ではな い世の中です。情報化社会は、これからもますます加速していくでしょう。どのような時代が来ても、勝ち残っていかなければならないのです。ラーメン屋が JAZZを流す時代が来たのなら、JAZZを流せばいいのです。デザートを出す時代が来たのなら、デザートを出せばいいのです。いずれ、それすら変化して いくのですから…。

 

社内報「Grow up Beatvol.10 平成15825日より

マルチコンセプト戦略Ⅱ オンリーワン・ブランド構築論

 

マルチコンセプト戦略Ⅱ オンリーワン・ブランド構築論

 

  今から丁度二年前の社内報で、『モノコンセプト・マルチコンセプト』というタイトルのコラムを書きました。その当時は、花月の新商品戦略や嵐化がスタート してまだ間もない頃で、本部スタッフをはじめ、直営店の店長、FC店の皆様が、「これから、花月のコンセプトはどうなってしまうのか…?」「味に自信がな いから、キャンペーンなどの販促をやるのか…?」と、不安や不満を感じ始めている時でした。

 

  しかし、あれから丸二年が経って、今我々は、GTR2やカゲツヤ、エネルギッシュキャンペーンを堂々とこなしています。お客様も、花月の新商品やキャン ペーンを毎回心待ちにされています。しかも、これらの戦略は、もはや花月グループにしかできないこと(=オンリーワン・ブランド)だと、僕は、ハッキリと 断言できます!そういう意味で、この二年間は、花月にとって本当に大きく成長できた期間だったと、改めて思いました。

 

 そこで今回、このコラムを使って、再度、我々のマルチコンセプトの方向性とこれからの展望を、簡単ではありますが確認しておきたいと思います。なお、二年前の『モノコンセプト・マルチコンセプト』のコラムを今回再録(P3〜4参照)していますので、読んだことのない方(特にFC店の皆様)は、ぜひ読んでみてください。

 

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ラーメンの歴史を振り返る

 

 

  僕が今、このコラムを書いている時点で、スペースシャトル『ディスカバリー』が、宇宙で様々な実験をしている真最中です。その搭乗員に、日本人宇宙飛行士 の野口聡一さんがおられるのは、皆さんも良くご存知でしょう。野口さんは、大のラーメン好きで知られ(花月のラーメンも食べてくれたかなあ〜?)、宇宙に 行っても「ラーメンが食べたい!」というリクエストに日清が応え、宇宙食としてのラーメンを開発、見事に完成させました。宇宙でおいしそうにラーメンを食 べる野口さんの笑顔が、とても印象的でしたよね。これは、ラーメン業界全体にとって、久しぶり(?)のビックニュースであり、追い風になることは間違いあ りません。要するに、今やラーメンは、日本の国民食代表なのです。しかもダントツの!

 

  でも、実は、ラーメンが国民に広く普及していく歴史は意外に浅く、そういう意味では、日本人にとっても比較的新しい食べ物なのです(戦後、中国からの引揚 者による屋台のラーメン店が全国に出現したのが、そのはじまりと言われています)。シンプルな醤油ラーメンから始まり、札幌みそラーメンの革命的な誕生、 喜多方ラーメンの全国的大ブーム、博多長浜とんこつラーメンの大旋風とその定着、ご当地ラーメン、ご当人ラーメンのメディア誘導型スマッシュヒット、そし て、Wスープラーメンの普及と共に訪れた、ラーメンバブル…。これらの一連の流れは、ここ六、七十年の出来事であり、そばやうどんの長い歴史からみれば、 新規参入組(?)といっても決して言い過ぎではありません(笑)。

 

  そんな一世を風靡したラーメンが、今、一番の危機に直面していると、僕は考えます。もはや、ラーメンバブルは崩壊したのです。テレビを見ても、以前に比べ て、ラーメンの番組は激減しています。視聴率が取れないからです。老舗のラーメン店でさえも、存続が難しい状況にあります(事実、荻窪にある超有名ラーメ ン店の丸福さんが、去年の年末に閉店してしまいました…。そして、恵比寿の山頭火さんも…)。一体、何が起こったのでしょうか?

 

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ラーメンバブルは崩壊すべくして崩壊した…

 

 

 『ラーメン店主は職人であり、ラーメンビジネスは、早い話が水商売である!』これが、僕の最も嫌いな考え方です。実は、『この考え方の基盤にメディアが乗ったがために、膨れ上がったのが、昨今のラーメンバブルの正体だ!』というのが、僕の見解です!

 

  どういうことかと言うと、メディアに登場するラーメン店のほとんどのパターンが、ラーメンの仕込み時における、複雑なレシピ自慢に終始する、いわゆる『こ だわりのラーメン店』(○○産のサバ節は、何分でダシが出る…や、『○○産の貴重なネギを使っています…』等の食材の産地に異常なまでにこだわる執着心、 そして、その極めつけが、スープの出来が悪いという理由でスープを捨てて、平気な顔で店を閉める店主…等)のお話や、はたまた、ラーメン店開業までの涙、 涙の苦労話…等の、いわゆる『お涙ちょうだいもの…』であり、これらはハッキリいって、ただの自己満足に過ぎないのに、それが一人歩きすることにより、 ラーメン=職人魂、ラーメン=味一筋、ラーメン=人情物語という固定観念が、メディアにより広く流布され、その結果、ラーメン業界全体が、『水商売』とい うイメージからいまだに抜け切れないでいるのだと思います。

 

そ して、この誤ったイメージのもと、『自称こだわりのラーメン店』の出店競争が激化し、ついに、ラーメンバブルは崩壊したのです…。それはそうでしょう?専 門的な薀蓄(うんちく)は、初めこそ感心して聞いてもらえますが、同じような薀蓄を語るラーメン店が、次から次へと出現(中には、素人丸出しの店や、にわかラーメン店主の店も…)し、そのうちマンネリ化を招き、お客様からすれば、難しい話はもうお腹一杯…、「とにかく美味しいラーメンを気持ちよく食べさせてくれ!」となったのです(メディア情報で旨い!といわれる有名ラーメン店の中にも、味は?というお店もそれこそお腹一杯ありますけど…笑)。

 

  要するに、お客様の『正しい見識』によって、『メディア誘導による自己満足型ラーメンバブル』は崩壊したのです。※勿論、まじめにラーメンと向き合って、 お客様の為に日々努力を重ねているラーメン店主もいらっしゃると思います。ただ、『自称こだわりのラーメン職人』の人たちとの区別がつきにくいのが、ラー メンバブル時代の一つの特徴でもあったのです。厄介ですよね…。

 

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変化に対応しながら進化する!

 

 

  これら、一連のラーメンを舞台にした騒動を尻目に、我々は独自に、かつ、着実に新たなラーメンのステージとなるべく、土台作りに励んできたのです。それが マルチコンセプト発想であり、新商品戦略なのです。では、マルチコンセプトとはいったい何か?要するに、時代の流れにあわせて、変幻自在に自ら変化するこ とが出来るコンセプト、それがマルチコンセプトです。これは難しいことではなく、ごく当たり前のことです。

 

何 故なら、ビジネスの世界では、市場が物の価値を決めるからです。簡単に言うならば、お客様の求めている物を提供するのがビジネスそのものだからです。そし て、時代の流れとともに、お客様のニーズやウォンツも変化していくのです。例えば、ほんの十数年前は、まだ携帯電話は、今のようには普及していませんでし たよね?ポケベルなんかもまだ活躍していて、呼び出されては公衆電話を探し歩く…そんな時代でした。しかし、現在、携帯電話の代わりに、ポケベルを好んで 使用している人がいるとすれば、相当な変わり者でしょう。何故なら、大多数の人にとっては、携帯電話の方が圧倒的に便利だからです。だから、携帯電話のビ ジネスは、爆発的に市場が拡大したのです。

 

 時代の流れというものは、その時々の技術革新や新たな価値観の創造により動かされているのであり、この流れは誰にも止められません。極端な例を挙げるなら、電気という便利なものを手にした我々が、いまさらローソクの火を頼りに生活できるでしょうか?

 

  大切なことは、時代の流れに逆らわずに、自ら進化していくことです。携帯電話も飛躍的に進化を遂げました。情報を取り込んだり、メールができたり、テレビ が観れたり、音楽が聴けたりと、ほとんど何でもできます。ものすごい進化です。技術の革新と共に、お客様の求めている世界も広がっていくのです。それを企 業努力によって実現できた企業だけが、ビジネスの世界では生き残ることができるのです。

 

ラー メンの世界も同じではないでしょうか?ラーメンは、立派なビジネスコンテンツであり、先ほども触れたように、日本を代表する国民食です。とてつもない可能 性を秘めているのです。それが、『水商売』の一言で片付けられてしまうことが、僕はなにより悔しいのです。だからこそ、他業界が当たり前に行なっている企 業努力(新商品開発、ブランド戦略、販売戦略など)を我々もしっかりやって、ラーメン業界を進化、発展させていきたいのです。自己満足な薀蓄や、疲弊困憊 甚だしい安売り合戦に付き合っている暇は、我々にはないのです。

 

  最後に、花月のマルチコンセプト戦略のポイントを簡単に説明させてもらいます。一言で言うならば、『新商品がリリースされるたびに、お店そのものが、新し いラーメン店に生まれ変わったような感覚をお客様に楽しんでもらいたい!』です。もっと具体的に言えば、今、花月のお店は、『にんにく豚バラ醤油らーめん カゲツヤ』という名のお店に変身しているとイメージしてもらいたいのです。ちょっと前は、『ラーメン街道一番星』という名のラーメン店に変身していたので す。

 

要 するに、新商品が登場するたびに、お客様も我々も『花月なんだけれども、花月ではない』、そんな不思議な雰囲気を表現していきたいと思っているのです。こ れができれば、まさにオンリーワン・ブランドの構築の完成と言えるでしょう。こうなると、他社は絶対マネできないでしょうね(笑)。本当は、新商品がデ ビューするたびに、ユニフォームも一新して(例えば一番星の時なら、あの○系風のTシャツにねじり鉢巻姿で…)、新しいラーメン店になりきりたいのです が、こればっかりは、コスト的に難しいので諦めますけどね…(笑)。

 

社内報「Grow up Beatvol.22 平成17820日より

新商品戦略本論(前編)

 

新商品戦略本論(前編)

 

【解説】

新商品戦略とは・・・自社開発オリジナルラーメンを年 間10数品もリリースし続けるという、他に類を見ない「らあめん花月嵐」の顧客創造戦略。今まで世に出したオリジナルラーメンは50品以上!発売時には店 内外設置物、装飾物、ユニフォームすらも一新し、お客様からは新規のラーメン店かと思われるほどイメージを一新するPRも特徴です。

 

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序章

 

 今から約二年半ほど前の社内報で、新商品戦略についての概論を書かせてもらいましたが、当時はまだ、花月の新商品戦略自体が軌道に乗っているわけではなかったので、今いちピンと来ていなかった方も多かったようです。ハッキリ言って、その意図を理解してくれる雰囲気ではなかったでしょう。そこで今回は、改めて我々の新商品戦略をより深く、より高度に理解してもらいたく、ここにまとめたつもりです。

 

 以前の社 内報で述べたとおり、花月は『天然ブランド』のラーメン店です。最初は、所謂パパママストアからスタートした、ただのラーメン専門店でした。当然、メ ニューも基本的には一種類しかありませんでした。それこそ当時の僕から見れば、今の花月の新商品戦略は、『絶対にあり得ない!』『男ならニンニクげんこつ ラーメン一本で勝負だ!』『餃子?ライス?そんなのラーメン専門店にはいらないよ…』と、まるで噛み合わない反応になるでしょうね(笑)。それくらい、今の花月の新商品戦略は、ある意味“ラーメン業界の常識を逸脱している!”のです(笑)。

 

 何故かと言うと、ラーメン業界だけが、今だにパパママストア、言い換えれば、“個人商店の集合体”だからです。これは本当に不思議な現象です。例えば、ハンバーガー業界を補助線に見れば一目瞭然です。この業界は、マクドナルド、モスバーガー、ロッテリアが業界のシェアをほ ぼ独占しています。後発のフレッシュネスバーガーが多少健闘しているくらいで、あとは撤退したバーガーキングが記憶に残る程度です…。ましてや、個人の経 営するハンバーガー屋さんなどは、話題に上がることなど皆無です。勿論、その地域で人気を博している個人店のハンバーガー店も中には存在するのでしょう が、相対的に見れば小さな話です。

 

 要するに、ハンバーガー業界は、“ナショナルチェーンの独断場”ということです。そこに個人商店の入る隙はありません。牛丼業界も全く同じ構造です。吉野家、松屋、すき家の三つ巴の争いに、個人商店で戦いを挑む無謀者はいるのでしょうか?もしいるとすれば、間違いなくテレビの取材が入ることでしょうね(笑)。それぐらい、ここでもナショナルチェーンが他を圧倒しているのです。

 

 では、カレー業界はどうでしょうか?言うまでもなく、ココイチさんと“家庭で作るカレー”に独占的支配を許してしまっています(笑)。ここでもやはり、個人商店は出番が少ないでしょうね※カレーは、札幌のスープカレー、神保町のカレー街、横濱カレーミュージアム等のご当地カレーの進化発展の要素は、十分にあります。要するに、日本人が好む国民的な食べ物の代表である、ハンバーガー、牛丼、カレーの業界が、すでに企業によって“寡占化”されているのです。

 

  ところが、なぜかラーメン業界においては、個人商店のお店が業界全体の7割を占めてるといわれています。これは、国民食として人気のあるフードカテゴリー の中では、“異例中の異例といえる現象”です。なぜラーメン業界だけが、企業の市場規模がなかなか伸びないのでしょうか?余談ですが、焼肉業界における企 業の非寡占化状況にいち早く目を付け、『牛角』ブランドを立ち上げるとともに、一気呵成に焼肉業界を席巻したのが、レインズの西山社長です。

 

 

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個人商店が存続するわけとは?

 

 

 ラーメン業界における、この珍現象の理由は色々考えられると思います。例えば、ハンバーガーは元々が舶来物 で、しかも日本に導入されるときには、すでに個人商店のレベルを超えた、確立した企業ブランドの形で入ってきたので、そういう意味では、「最初から勝 負が決まっていた!」と言えると思うのです。

 

 それに比べてラーメンは、そのルーツを辿れば、確かに中国大陸に行き着くのですが、基本的に日本国内で少しずつ進 化成長を遂げたことが大きな違いになって、個人商店としての存続を可能にしているのかもしれません。また、ご当地ラーメンの人気でもわかるように、北は札 幌・旭川ラーメン、東は喜多方・佐野ラーメン、荻窪・横浜家系ラーメン、西は和歌山・尾道ラーメン、博多・熊本ラーメンと、各地域によって、実はラーメ ンという食べ物は、七色仮面のようにその容姿を変化させているのです。麺もスープも、素材、風味、色、食感などが様々です。僕も生まれて初めて『天下一 品』のラーメンを食べたときには、正直ぶっ飛びました(笑)。ですから、地域に根ざしたラーメン文化が自然と育っていったことにより、個人商店が存続 してきたのかもしれません。

 

 これも余談ですが、日本におけるハンバーガーのイメージは、マクドナルドによって刷り込まれてしまったので す。要するに、日本においては、ハンバーガー=マクドナルドのハンバーガーなのです。だから、その後に鳴り物入りで参入してきた『バーガーキング』 は、そのマクドナルドに刷り込まれたハンバーガーのイメージを覆すことができなかったのです。何故なら、『バーガーキング』の最大の売り文句が、「本場 アメリカで食べられるサイズの本格的なハンバーガー」だったからです。要するに、悲しいかな、日本人の口のサイズと合っていなかったのです(笑)。

日本マクドナルドの創業者藤田田氏は、銀座一号店を出店するにあたり、当然、日本人の口のサイズにハンバーガーのサイズを合わせることを指示したのです。

 

 

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メディアとラーメンブーム

 

 

個人商店がシェアの7割を占めるラーメン業界のイメージを、さらに決定的なものにしたのが、メディアにおけるラー メンブームです。ここ十年を振り返っても、本場博多長浜のトンコツラーメンの全国的なブームや、新横浜ラーメン博物館の登場によるラーメンブーム、ご当 地ラーメンのブームなど、そのほとんどが、メディアの強力な影響力の下でお客様の関心をさらっていったと思われます。

 

 『人気のラーメン店は行列ができるもの』、『美味しいラーメンは並んでも食べる もの』、というイメージをメディアが好意に創り上げた結果、多くのお客様は、ラーメンをそのような目線で見るようになったのです。ですから、ますます個人 商店のイメージが脹らんでいったのです。この結果生まれてきたのが、『チェーン店のラーメンは美味しくない』、『味にこだわっていない』、『職人魂がな い』などのマイナスイメージなのです。

 

 

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ラーメン業界の企業努力とは?

 

 

ラーメン業界特有の、他では見られない現象について述べてきましたが、実は、もうひとつ重要な要因が そこには隠されていると僕は思うのです。それは、自問自答も含めて、ラーメン店を運営する企業が真剣になって、ラーメンをきちんとしたビジネスと考えて、 当たり前のことを当たり前とした企業努力を今までやってきたのか?ということなのです。

 

 例えば、販売促進に対して真剣になって取り組んできたのでしょうか?また、新商品の開発に真剣になって取り組んで きたラーメン企業があるのでしょうか?他の業界の人にとっては当たり前の企業努力が、ラーメン業界の人達にとっては、目を細めることばかりではないので しょうか?自動車メーカーでも、電気メーカーでも、芸能プロダクションでも、販促や新商品の開発を疎かにしたり手を抜いているところが、勝ち残っていける のでしょうか?某芸能プロダクションの新人タレントの発掘やその育成に関しての企業努力などは凄まじいものがあります。

 

 どこの企業も生き残りを懸けて、必死で戦っているのです。ところが、我々ラーメン業界だけが、個人商店も企業も ラーメン人気に胡坐をかいて、『旨いラーメンだけ出していれば、お客は来てくれるもんだ!』『行列ができているんだから、掃除なんかしなくていい!』『わ ざわざ新しいラーメンなんか開発することなんかムダだ!』『家族連れは回転率が悪くなるから来なくていい』『客は勝手に席を移るな!』などと、お客様の 視点から見た企業努力とはかけ離れた、自分本位の営業姿勢に偏っているのが現状なのではないでしょうか?このような姿勢のラーメン業界に、本当にお客様は 心から満足しているのでしょうか?

 

 メディア情報に影響をされて、とりあえず我慢して並んでいるだけのことであり、実はお客様の本音は、別のところに あるのではないでしょうか?僕にはそう思えてなりません。何故なら、たいてい有名ラーメン店に行った人の話を聞いてみても、満足している人の話を聞いたこ とがあまりないからです。『それほど美味しくはないよね』『うまかったけど、トイレが汚かったからね』『あれが行列する程の味か?』

 

 要するに、今のお客様はラーメン業界に対して、決して味にこだわるだけのオタクな、マニアックなラーメン店を 求めているのではないと僕は思うのです。何故なら、すでにラーメンブームは終焉を迎えているからです。しかし、その一方で不動の国民食の地位が確保 されているのです!ラーメンの人気は、もうブームなどで片付けられるほど軟弱なものではなく、もはや日本を代表する国民食ナンバーワン!になったの です。

 

 ところが、この業界に携わる多くの方たちにはまだその意識が低いのが現状で、お客様の視点から見た、お客様の本当の満足を追求することを疎かにして、お店側の勝手な都合を優先させた、単なる自己満足を追求している結果になっているのではないでしょうか?

 

 ラーメン市場の地域的な成長過程とメディアによるラーメン=個人商店というイメージのダブル要素によってでき あがった国民的ラーメン人気に最も固執し、すがりついて安住しているのは、ラーメン業界に携わっている我々自身なのではないでしょうか?お客様の目線は、 もうすでにそこにはないというのが、僕の考えです。これはある意味で、予想の問題になりますが、ラーメンだけがいつまでも例外というのは、どう考えてみて も理不尽です。ラーメンだけが企業努力なしで生きていけると思うのは、ある意味怠け者の考えることです。一番大事なことは、いつもお客様は我々よりも一歩 先を歩いているということなのです。そして、お客様の欲しいものを提供するのが、商売の原点ではないのでしょうか。

 

社内報「Grow up Beatvol.30 平成181225日より

 

新商品戦略本論(中編)

 

新商品戦略本論(中編)

 

前回は、新商品戦略の大前提であるラーメン業界の特殊性についてお話ししました。簡単にまとめると、

 

1ラーメン業界は個人商店の割合が7割りと非常に強い!

2ラーメンの特殊性とメディアの影響で個人商店が存続している!

3業界全体がラーメン人気に胡坐をかいて、企業努力を怠っているのではないか?

4お客様のニーズは常に我々の一歩先を行っている!

この大前提を理解したうえで、我々の新商品戦略は構築されているのです。

 

  要するに、ラーメン業界の特殊性に振り回されるのではなくて、地に足がついた、他の業界がやっているような当たり前の努力を当たり前にやらなければ、これ からのラーメン業界は進化もしなければ発展もないと僕は思うのです。何故なら、ラーメンは一部のマニアな人たちの食べ物というカテゴリーをすでに大きく逸 脱するくらいの、大人気国民食となっているからです。普通の人が気兼ねなくごく普通にラーメンを食べられることが、ラーメン業界に求められている新しい ニーズだからです。

 

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時代の流れとラーメン店のあり方

 

 

  行列のできるラーメン店というものを僕が最初に認識したのは、荻窪にある『丸福』というラーメン屋さんでした。今から二十年以上も前の話です。そのとき僕 は、高校一年生でした。初めて見た行列のできるラーメン屋は、僕に強烈なインパクトを与えたのを今でも鮮明に記憶しています。ちょうどその頃から、“おい しいラーメン=行列ができる”と いう公式をメディアが作り上げる時代がはじまりました。まだバブル前夜の頃で、深夜にファミレスでたむろっているのがなん となくカッコいいというような時代背景だったこともあり、行列のできるラーメン屋巡りは、若者の間で新鮮な体験だったのです。その当時を代表するラーメン 店が、環七にあった『土佐っ子』というお店でした。最高時には、百人は並んでいるのではないか?というぐらいにお客さんで溢れかえっていたのですから…。

 

  そんな時代に、行列に並んでラーメンを啜っていた若者たちも、もう今では立派な中年であり、結婚して家族ができたりと、時は流れるわけです。ところが、 ラーメンの美味しさだけは忘れることができません(笑)。青春の原体験とでもいいましょうか?(笑)とにかく、また美味しいラーメンが食べたいのです。し かし、今は家族がいる、子供は泣く(笑)、そんな状況ですから、今までのようなスタイルのラーメン屋さんにはなかなか行けないのです。家族みんなが楽しめ るようなラーメン店じゃないと、親は自分自身がラーメンを楽しめなくなってしまうのです。だから、ラーメン店に求められるニーズも変わってきたのです。昔 はラーメン専門店でもよかったのです…。店が汚くてもよかったのです…。お子様ラーメンがメニューになくてもよかったのです…。

 

  でも、今は違います。お客様は美味しいラーメンを食べたいけれど、家族を連れて不衛生なお店には行きたくないのです。昔は平気で並んでいても、今はそんな 店には並びたくないのです。子供たちにはお菓子付きのお子様ラーメンを用意しないと、「ハンバーガーが食べたい!」と言い出してしまうのです。でも、親は 絶対にラーメンが食べたいのです(笑)。これは、ある意味お客様のほうも明らかに矛盾を感じているはずです(笑)。でも、この矛盾を解決するところに新し い市場が生まれ、ビジネスチャンスが生まれるのです。“常にお客様が一歩先を行く!”というのはこういう意味なのです。素直にお客様の声に耳を傾ければ、 矛盾が矛盾でなくなるのです。言い換えれば、時代の流れをよく見ていれば、お客様の声を聞き逃すことがなくなるのです。お客様は今、何を不便だと感じてい るのか?を常にアンテナを張って意識していれば、それを聞き逃すことはなくなるのです。

 

  要するに、ラーメン店に求められているニーズが、二十年前と現在においてはまるで違ってしまったということなのです。この認識を持つか持たないかで、大き く運命が変わってしまいます。これが分かれば、今までと同じことをしていたのでは、ラーメン屋さんといえども生き残ってはいけなくなってしまうのです。こ の時代の流れに比較的早く気がついて、ビジネスチャンスと捉えたのが、花月ブランドの先進性なわけです。

 

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ラーメン人口は拡大する!

 

 

 時代の流れと共にラーメン店に対するニーズも大きく変わってきたところで、次はどのような変化が起こるのでしょうか?

 

  若い時に行列へ並んでラーメンを食べていた人たちは、家族ができても同じ行動をします。ここまでは、さほど難しい予測ではありません。ここからが重要で す。結論から先に言うと、これからの時代は、ラーメンがそんなに好きではない層の人達もラーメン店に足を運び、日常ごく当たり前のこととして、誰もがラー メンを食べるようになるのではないか?というのが、僕の第2の予測です。選挙で例えるなら、多く の 浮動票がラーメン業界に流れ込んでくるような感じです。何故なら、一部のラーメンマニア(フリーク)のお客様とメディアが一緒になって広がっていったラー メン人気が、新しい日本の文化として、すでに幅広く一般の人達にまでも浸透していると思われるからです。さらに、ご当地ラーメン文化が目覚しい勢いで日本 中を駆け巡ったことが、それに大きく寄与しているのではないでしょうか。このように、様々な必然と偶然が織り成すドラマの中で、日本を代表する文化として のラーメン文化が、一般の人にも広がったと思うのです。

 

 そう考えるならば、ラーメンマニアではないけれどもラーメンが食べたいお客様は、今どんな矛盾を感じているのでしょうか?この矛盾が予測できれば、そこにもビジネスチャンスへ繋がる戦略が打ち出せるわけです。具体的にいえば、

 

1ラーメンは好きになったけど、並んでまでもは食べたくはない…

2ラーメンを食べる前に一杯酒でも飲みたい!

3毎回、同じラーメンだと飽きてくる…

4ラーメンの薀蓄は別に興味がない…

5子供がいても気兼ねしないラーメン店がいい!

6サイドメニューやデザートも充実してほしい!

7もっともっと安くしてほしい!

8食べた後も、ニオイが気にならないようなラーメンを作ってほしい!

・・・と、色々予測できるわけです。

 

  これらは、ラーメンマニアのお客様のことだけを見ていては絶対に分かりません。何故なら、ラーメンマニアのお客様は、上記のような矛盾をさほど感じていな いからです。あくまでも、ごく普通に、時代の流れと共にラーメンが好きになっていった普通のお客様が感じる矛盾なのです。ですから我々は、どちらのお客様 の矛盾にも耳を傾けなければならないのです。どちらか一方に偏っても、ビジネスチャンスを失ってしまうのです。そして、その矛盾を一つ一つ丁寧に解決して あげれば、その浮動票は、確固たる支持へと変貌して、我々の花月ブランドが社会に認められる存在になっていくのです。

 

 そういう意味でいえば、ラーメン人口は、今後ますます増えていくのではないでしょうか。ラーメンをマニアックな食べ物から、誰もが気楽に楽しめる“21世紀型大衆文化”へとより発展させていけば、僕は十分にその可能性は高いと本気で思うのです。そのためにも、先ほどの双方に渡る矛盾と真剣になって取り組むことが、我々の仕事の大きな柱になると思うのです。

 

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キャンペーン&新商品について

 

 

 ここまでの大前提をベースとして、花月のキャンペーンや新商品戦略について、さらに考察していきましょう。

 

  キャンペーンに関しては、説明するまでもなく、ラーメン業界としては異例ともいえるような早い時期から取り組んできました。とは言え、他の業界に目をやれ ば、ごく当たり前の販売促進の手段であり、それにようやくラーメン業界も気づいてきたようで、ちらほら見受けられるようになってきました。花月の場合、当 初はキャンペーンと新商品との非連動性に課題がありましたが、今後展開をする上で、新商品とキャンペーンがきちんと連動したほうがはるかに良いという方向 性を打ち出し、相乗効果を高める戦略を、他との差別化としていきたいと考えています。

 

  何故なら、新商品戦略自体がまだ不透明だった時期に無理やりキャンペーンと連動させても、上手く機能しなかったと思いますが、今や万全の体制の下、以前に も増して新商品戦略がお客様に認知されてきているという実感があるからです。こうなると、お客様の混乱を防ぐためにも、より我々のメッセージをストレート に投げかけ、しっかりキャンペーンと連動させたほうが、その効果が期待できると判断をしたわけです。

 

  味噌ちゃんこラーメン大金星&塩ちゃんこラーメン大一番と、ごっちゃんです!キャンペーンなどは、その取り組みの典型例です。しかも、他社(他のラーメン 店)は、逆立ちしても我々のこの戦略には対抗できません。対抗せよ!というほうが酷というものです(笑)。何故なら、最初に述べた大前提の理解があっての 新商品戦略&キャンペーン戦略であり、且つ、あらゆる種類のラーメン開発の細かなノウハウを地道に積み上げてきた努力というようなものは、普通の人は嫌が ります(笑)。

 

  ラーメンは一種類、無理やりバリエーションを増やしても二、三種類(味噌、塩、つけめん等)で十分だというのが、この業界の根底に流れる常識であり、その 呪縛から離れることは、ラーメンを手がけている意義を失うことに直結するからです。誰でも簡単に参入できるのがラーメンの特徴だと誤認をしているのです。 ですから、みんな怖くて、我々のような戦略に移行する決断がしにくいのです。

 

  要するに、ラーメンビジネスは、時代の流れと共にお客様のニーズへ合わせ進化発展していかなければならないけれども、実は、それにまつわる様々な努力をす ればするほど、本来のラーメンの特徴「シンプル・イズ・ベスト!」からは大きく遠ざかってしまうという自己矛盾に陥るのです。

 

  しかし我々は、この矛盾をお客様の矛盾のときと同じように解決できれば、そこにビジネスチャンスがあるのではないかと考え、この新商品戦略&キャンペーン 戦略にシフトしていったのです。勿論、当初はそこまで誰も意識してやってきたわけではないのですが、努力を積み上げることを続けることによって、結果的に 新しい流れを受け止めることができる立場に、今、我々は立っているのです。

 

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面倒なことは、本部がやればよい!

 

 

  ラーメン店は、ある程度の資金とやる気さえあれば、誰でも開業できます。特別難しい技術も必要ありません。だからこそ、色々な職歴の方がこのラーメン業界 に参入してくるわけです。芸能人の方も、アパレル関係の方も、不動産関係の方も…。実際に、今は無き某ラーメンチェーンの本部は、不動産が本業でした。し かし、それが通用してきた時代も、そろそろ終焉を迎えるのではないでしょうか?

 

  何故なら、多くの方がラーメンを“簡単に儲かるビジネス”“参入しやすいビジネス”とナメて考えていたから…、要するに“誤認”していたからです。確かに 数年前まではそれでもよかったのです。事実、Wスープ系のラーメンがブームのとき、新規参入してきた人達は、みんなWスープを売りにしたラーメン店を開業 し(Wスープ系のラーメンは、実は比較的簡単に作れてしまうのです)、メディアにもお客様にも比較的好評を得たのです。

 

  でも、繰り返し述べていますが、時代の流れと共に、ラーメン業界も進化発展していかなければなりません。お客様の層も、浮動票が動き出しているのです。今 までのような保守的なラーメン店の運営をしていては、取り残されてしまいます。どんな有名店も例外ではありません。ラーメンビジネスは参入しやすいという 甘い読みでラーメン店を始めても、成功する確率は非常に少ないと思ったほうがいいでしょう。

 

  だからこそ、当たり前の企業努力を当たり前にする企業が、これからの“ラーメン新時代”と フィットした経営を期待されているのです。ここのポジションを、 我々は自らの存在価値と受け止め、前進していかなければなりません。販促戦略や新商品の開発は、我々本部の重要な任務です。細々とした面倒なことは、本部 が一括して取り組めばいいのです。そして、お店のスタッフの方には、余計な負荷をかけることなく、その分、一人でも多くのお客様に笑顔で接する営業努力に こそ力を入れてもらいたいのです。この二人三脚が、ブランドの両輪となって突き進むことにより、新しい時代に合った、最先端のラーメンビジネススキームと なるのです。

 

社内報「Grow up Beatvol.31 平成19225日より

新商品戦略本論(後編)

 

新商品戦略本論(後編)

 

『新商品戦略本論』も後編に入りました。三回に亘って長々と説明してきたのも、この戦略を理解することなしに、花月の進化発展は絶対にありえないからです。そのための大前提が、前回、前々回の内容なのです。確認の意味で振り返ると、

 

1ラーメン業界は、個人商店の割合が七割と非常に強い!

2ラーメンの特殊性とメディアの影響で、個人商店が存続している!

3業界全体がラーメン人気に胡坐をかいて、企業努力を怠っているのではないか?

4お客様のニーズは、常に我々の一歩先を行っている!

5ラーメン店に求められているニーズが、二十年前と現在においてはまるで変ってしまった。

6ラーメンマニア以外の人がラーメンをごく普通に食べる時代にこそ、ビジネスチャンスがある

7新商品戦略&キャンペーン戦略という当たり前の企業努力こそが、“ラーメン新時代”にふさわしい企業経営である

 

 これらの大前提を踏まえて、どのように実際の花月の店舗運営に、戦術として『新商品戦略』を落とし込んでいるのかを、今回は具体的に検証していきたいと思います。

 

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なぜ大人気の 『ブラック』 が期間限定なの?

 

 

  現在の新商品戦略の明確なスタートのポイントをひとつ挙げるならば、“ニンニクげんこつラーメンブラックデビューの時!”となるでしょう。それ以前の期間 限定商品(醤魚ラーメン・ニンニクげんこつカレーラーメン・昭和ハイカラ塩ラーメン等…)は、その序曲(予行練習?)とでも言えばいいのでしょうか。無我 夢中で新商品を作っていた、言い換えれば、作るために作っていた、とも言えますね(笑)。そこには戦略的発想の欠片ぐらいなんとなくはあったのですが、戦 略として、「これが正しいはずだ!」と明確に意識するまでには至っていなかったのです。

 

  しかし、ブラックの時は、現在に至る新商品戦略を十二分に練って、それをまさに具体化するために、開発・販売した商品だったのです。それはどのような戦略 かといえば、まず考えたのが、花月創業のストーリーを紹介することと一緒に、『ブラック』を売り出そうと考えたことです。それまでは、新商品を売り出すの に、味の説明・カテゴリーの説明などが中心になっていて、それ以上の宣伝文句を取り入れる価値に気がついていなかったのですが、その後、神田正則氏(実践 マーケッター)のマーケティング戦略(社内報VOL16参照)などを学び、学習することによって、 新しい販売戦略が生まれたのです。元々ブラックというネーミングは、缶コーヒーの商品によくある無糖ブラックコーヒーからインスピレーションしていまし た。それをラーメンと結ぶつけることによって、商品化できるのでは?と思ったわけですが、ここに花月創業の泥まみれの歴史を重ね合わせることで、お客様に ブラックの価値を感じてもらい、最終的なヒット商品になればと考えたわけです。

 

結 果は、我々の狙いどおりに空前のヒット商品となるのですが、そこでちょっとした意見の違いから来る葛藤がありました。ブラックの販売終了が目前に迫る中、 「なんで人気商品のブラックを引っ込めるんだ?引き続き販売した方がいいだろう!」という声が、内外から非常に大きくなってきたのです。それに関する僕の 答えは、「予定どおり販売を終了する!」でした。なぜかというと、最初 からどんなに人気商品になっても、期間限定で売り出した商品は一旦終了するべきだ、と考えていたこともあるのですが、それ以上に期間限定のヒット商品は、 ブラックだけに終わらせるわけではないと、最初から計算していたからです。

 

第 二、第三のブラックを、この後続々と登場させるぞ!と決意を固めていたからで す。それが、『黄金の味噌ラーメン』であり、『豚そば銀次郎』であり、『ラーメン街道一番星』であり、『ラーメン太郎』であるわけです。これらの期間限定 商品をリリースする計算を最初から戦略に盛り込み、期間限定ラーメンシリーズを花月の販売戦略の柱にしていこうと計画していたのです。そのスターターとし ての役割が、たまたま『ブラック』だっただけなのであり、どんなに人気があろうと、そこで発売延長などとしてしまっては、その後の商品戦略そのものが意味 をなさなくなってしまうのです(食券機対応という、物理的な制約の問題もありますが…)。

 

その意味で言えば『ブラック』は、その役割を十二分に果たしてく れました(その後、残念なことに緊急スクランブル的にレギュラー入りしてしまったのは、皆さんご承知のとおりですが…)。

 

古い話になりますが、昔、夕焼けニャンニャンという番組が人気で、そこからおニャン子クラブという集団的アイドル(モーニング娘の元祖?)が出現したのですが、そのメンバーのソロレコードデビューに先駆けて、河合その子さん(会員ナンバー12) が抜擢され、番組の企画・演出を手がけた秋元康氏から、「お前がこけたら、後に続く者全員がこけることになるから、死ぬ気で頑張れ!」と激をとばされた… という話があるのですが、我々の『ブラック』も、それと似たような役割だったのです(笑)。事実、おニャン子クラブは、河合その子のソロデビューの成功を 皮切りに、うしろゆびさされ組・ニャンギラス・うしろ髪ひかれ隊…と次々と形を変えてソロデビューしていくのです。ちなみに私は、高井麻巳子さん(現 秋元康夫人)の隠れファンでした…(笑)。

 

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大物期間限定ラーメンとは?

 

 

 一口に期間限定ラーメンといっても、そのカテゴリーは複数あります。以前も社内報で明記しましたが、ここで再確認します。

 

1現在流行しているラーメン

2マイナーな存在で、まだ全国的には有名になっていないラーメン

3完全オリジナルラーメン

4他とのコラボレーションによるラーメン

5大物期間限定ラーメン(インスパイア系)

 

 詳細は省きますが、新たに加わったのが45です。4については、後ほど説明します。

 

 5の 大物期間限定ラーメンについてですが、僕が思うには、先ほどの『ブラック』『黄金の味噌』『豚そば銀次郎』『一番星』『ラーメン太郎』などの期間限定ラー メンは、“大物”なのです。大物という意味は、このラーメンは確実に売れる!絶対に人気が出る!と最初から分かってリリースするラーメンのことです。いわ ゆる『売れ線商品』ということです。誤解してほしくないのが、結果的に売れるという意味ではありません。あくまでも、“売れるのが役割、使命”なのです。 その十字架を背負って発売されるのが、“大物”といわれる由縁です。

 

  何が言いたいのかというと、大物があるからこそ、“小物”も 活きてくるということなのです。小物というと言葉が悪いですが、花月の新商品戦略でいうと、 『磯の系らあめん』『茶樹きのこ』『モー味噌。』『ラーメンカレー虎吉屋』などです。これらの小物商品たちは、花月の新商品に絶対に無くてはならないもの です。なぜなら、色々な種類のラーメンの提案を通じてラーメンの可能性を無限に拡大していく戦略が、新商品戦略の重要な役割の一つになっているからです。 このことはなかなか理解されにくいのですが、補助線を引いて説明します。

 

  例えば、パスタ業界などはどうでしょうか?日本人がパスタを食べるようになって、どう変わったでしょか?みなさんご存知のように、『たらこ(明太子)スパ ゲッテイー』『納豆スパゲッテイー』『和風パスタ』などは、もう珍しくもなんともないですよね?ごく普通に食べます。でも、パスタ料理が日本に入るなり、 いきなり『たらこ(明太子)スパゲッテイー』があったわけではありません。最初は、ミートソースやボンゴレなどの欧米の慣習に則ったパスタの食べ方をして いたわけです。それが、徐々に日本人の味覚により合うように改良されることによって、日本人特有の食べ物としてのパスタ料理が“別枠”で誕生したのです。

 

  それと同じように、ラーメンも色々な地域特性の歴史の流れの中で、様々に変化を遂げてきているのです。そこから次の変化を遂げるのに、「ラーメンとはこう いうものだ!」というある種の思い込み、先入観があると、世の中の流れを見誤ってしまいます。僕は、ラーメン業界がさらに進化発展していくためには、今ま でのカテゴリーや成功の方程式を超えて、まったく新しいラーメンを創造していくべきだと考えるし、それが世の中の流れにも合致していると考えているので す。なぜなら、ラーメンには、日本人の“味覚の琴線”に触れるだけの、計り知れない魅力があるからです。我々日本人は、ラーメンを愛してやまない国民なのです。そのラーメンが進化・発展しないわけがありません。たらこスパゲッテイーを考案した日本人が、牛乳の入ったラーメンを食べないはずがありません (笑)。

 

小 物といわれるラーメンも、現時点では確かに小物かもしれませんが、いつ大物に大化けして、我々の売り上げに貢献してくれるような孝行息子(娘) に成長を遂げるかもしれないわけです。その日のためにも、小物扱いして馬鹿にしてはいけません。現に、焼きラーメンは、ここにきてマスメディアに取り上げ られること度々であり、新宿の有名ラーメン店である『竈』は、姉妹店として、焼きラーメン専門店を新宿西口にオープンさせたほどです。

 

 これは自慢ではありませんが、花月では、四年も前からすでに焼きラーメンを発売(2003516日発売)しています。「こんな人気のないラーメンは、メニューから引っこめろ!」と度重なる内外の批判の矢面に立たされて、今は裏メニューの中にひっそりと佇んでいる焼きラーメンですが(笑)、今や最先端のラーメンフリーク達の注目の的となっているわけです。

 

  大物の話に戻りますが、大物期間限定ラーメンは、小物のラーメンの販売戦略を広大な気持ちで下支えする役割が重要なのです。いくら新しいラーメンの提案を しても、それが必ず大物に変貌するとは限りません。実際は、サナギのまま一生を終わってしまうほうが多いことでしょう。当たるか反るかは、博打のような要 素もあります。だからこそ、大物ラーメンたちは、それらの補填もしつつ、確実にヒットする役割を背負っているのです。大変な役回りですよね(笑)。

 

  では、どんなラーメンが大物ラーメンなのかということになりますが、決まった定義は別にありません。しっかり目を見開いて広く世間を見渡せば、大体分かる ものです(笑)。しかし、大事なポイントは、どんなカテゴリーのラーメンであっても、最終的には花月のラーメンになるのです。なぜなら、花月というブラン ドのフィルターを通過することによって、どんなカテゴリーのラーメンにも新しい息吹が吹き込まれるからです。その息吹を嵐のごとく日本中に巻き起こすこと が、新商品戦略の大物期間限定ラーメンの大仕事になるのです。

 

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Yahoo!コラボ企画商品 『真骨頂』 誕生の秘密

 

 

  ヤフー・ジャパンさんとのコラボレーション企画で『濃厚豚骨醤油ラーメン真骨頂』が発売され、多くの反響をいただいたことは、まだ記憶に新しいですよね。 この企画の内容自体も素晴らしいのですが、なにより、なぜ花月にヤフー・ジャパンさんからこの企画(初のコラボは『焼き味噌サムライラーメン』)が提案さ れたのか?ということが重要です。答えはチョ〜簡単です。花月がラーメン店として、“極めて珍しい新商品戦略”を打ち出していたからです。それがヤフー・ ジャパン企画特集の担当者さんの目に留まったわけです。

 

逆に言うと、花月の新商品戦略がなければ、あの企画さえもなかったはずです。また、あの企画に応えられることのできるラーメン店は、花月以外には無かったはずだし、延べ138万 人の方が選び出した 異例の大ヒット商品も、ラーメン以外の業種に置き換えられ、打ち出されていた可能性はありますが、やっぱりあの企画は、ラーメンだったからこそ面白かった わけです(実際、カレーでも似たような企画があったそうですが、真骨頂の反響には程遠いレベルに終わったそうです)。

 

そう考えると、我々の新商品戦略がヤ フー・ジャパンさんを動かし、インターネットの企画ものの新たな一ページを刻んだともいえるわけです(事実、インターネット企画特集で食品を販売するのは 初めての試みであり、また、真骨頂の企画は、現在においても、インターネットにおける企画特集としては、過去最大のアクセス数を維持している)。これは大 いに誇るべきことです。

 

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野菜だけで作った画期的ラーメン 『菜菜』 が教えてくれたこと

 

 

  『ラーメン菜菜』の思いもかけぬ反響に一番驚いているのが、僕自身です。『菜菜』自体は、先ほどのカテゴリーでいえば、完全オリジナルラーメンです。当 然、大物ではありません(笑)。小物中の小物といったほうがピッタリのラーメンでしょう。開発も、「緻密な戦略に則って…」と言いたいところなのですが、 事実はそうではありませんでした(笑)。例によって、広く世間を見渡していたときに、ふと気がついたことがあったのです。それは、世の中の健康志向が高 まってきて、外食業界も健康志向を謳って新商品に力を入れてはいるものの、肝心の商品は、『ハンバーガーに野菜を挟んだだけの商品』とか、『野菜を多めに 入れただけのカレー』とか、『ラーメンに野菜をたっぷり乗せただけの野菜ラーメン新発売!』とか…。要するに、みんな今ある商品にプラスで野菜を加えただけで、「ヘルシーだ!」「健康志向だ!」「体に優しい!」だとか、色々薀蓄を並べて販売していますが、それらは、“『健康志向という気分』を売っているだけ”で、本当の意味での『健康志向』とは程遠い商品群であると、僕は見抜いたわけです(笑)。

 

そ こで、「どうせ健康・ヘルシーを謳うのであれば、完全にそういうラーメンを作れないものか?」「野菜だけでラーメンを作れないだろうか?」と考えたのが、 『菜菜』の開発のきっかけでした。突拍子もない僕からの依 頼にも、商品開発部のメンバーは、試行錯誤の上、史上初(たぶん)、『野菜だけで作ったラーメン』を完成させたのです。ですから、『菜菜』に関しては、あ る意味偶然の産物として商品化されたようなものであり、新商品戦略の『おまけ』みたいな商品だったのです。もうちょっとカッコよく言えば、『先行実験型商 品』のような位置づけだったわけです。

 

  ところが、『菜菜』を販売すると同時に、まさに思いもよらない反響がお客様から寄せられました。ベジタリアンの方々からの感激のお便りの数々です。『ベジ タリアンなので、菜菜は最高でした。』『よくぞこんなラーメンを作ってくださいました!』『感激ですよ。是非!定番メニューにして下さい!』『この時期 だけじゃなくて、毎日食べたいです!』etc……。

 

この反響は、僕にとって完全に『想定外』のできごとでした。なぜなら、先ほど述べたように、戦略的に計算されて開発された商品ではなかったこともあります が、何よりベジタリアンの方たちは、ラーメンのような食品が元々嫌いだからベジタリアンになったのだと、僕は“勝手に思い込んで”い たからです。勿論、健 康志向のブームの中で、食べたくても食べられない人も中にはいるのでしょうが、一気呵成にベジタリアンとして生きる決意をする!ということにおいては、 やっぱり、元来そういう種類の食品には興味がないもんだと勘違いをしていました。お客様のお手紙を読むにつれて、「なんだ、ベジタリアンの方も、本当は ラーメンが食べたかったんだな〜」と思うと、ちょっとした社会貢献をしているような、清々しい気持ちになるのです。ですから新商品戦略とは、このように懐 が広く、どのようなラーメンでも可能性があり、多くのお客様が潜在的に新しいラーメンに期待されているということを、僕は『菜菜』から教えてもらった気が します。

 

社内報「Grow up Beatvol.32 平成19425日より

新商品戦略本論(完結編)

 

新商品戦略本論(完結編)

 

『新商品戦略本論』も、いよいよ今回が完結編です。簡単に振り返ると、

 

【前編】

1ラーメン業界は、個人商店の割合が七割と非常に強い!

2ラーメンの特殊性とメディアの影響で、個人商店が存続している!

3業界全体がラーメン人気に胡坐をかいて、企業努力を怠っているのではないか?

4お客様のニーズは、常に我々の一歩先を行っている!

 

【中編】

5ラーメン店に求められているニーズが、二十年前と現在においては、まるで変わってしまった!

6ラーメンマニア以外の人が、ごく普通にラーメンを食べる時代にこそビジネスチャンスがある!

7新商品戦略&キャンペーン戦略という当たり前の企業努力こそが、“ラーメン新時代”にふさわしい企業経営である!

 

【後編】

8期間限定ラーメンシリーズを花月の販売戦略の柱に、当初から計画していた!

9大物期間限定ラーメンを中心に、ラーメンの無限の可能性を拡大していく!

10我々の新商品戦略が、インターネットの世界にも影響を与えた!

11多くのお客様が、潜在的に新しいラーメンを期待している!

12商品名をキャラクター化することによって、お客様に興味と親近感を持ってもらう!

 

 これらが新商品戦略の全貌ですが、今回の『完結編』では、より実践的な事項も含めて、最終検証していきたいと思います。

 

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菜菜&GTRのメディア戦略とは?

 

 

  前回のお話で説明が不十分だった箇所について補足します。『ラーメン菜菜』は、大物ラーメンに対して小物ラーメンであると説明しましたが、小物ラーメンの 中でも、菜菜やGTRのようなタイプのラーメンは、『対メディア戦略商品』という位置づけこそが、その真の役割なのです。テレビや雑誌などの強い影響力を もつ媒体に紹介されることを、その最大の目的として開発された商品なのです。

 

 マスメディアのお客様に与える影響力は、今も昔も計り知れないほどです。プラスの影響・マイナスの影響と二つありますが、どちらの方向でも、我々の外食ビジネスにとっては、“直結”してしまいます。プラスの例で言えば、番組を捏造して、後ほど社会問題化した『発掘!あるある大辞典』で紹介された納豆ダイエットが、その際たるものでしょう。何しろ番組 放送直後、お客が殺到!日本中のスーパーの売り場から、納豆が姿を消してしまったのですから…(マイナスとも言える?)。また、数年前、あるラーメン番組で、高円寺環七発祥のラーメン店『味○一』について、「味○一が環七を制覇する日も近い!」とコメント。放送翌日からの『味○一』の大行列といったら、目を疑うほどでした…。最近では、年末のラーメン番組で、ラーメンナンバーワンの座に、高田馬場発祥の『俺○空』が選ばれたのですが、その翌日の長蛇の列といったら、思わず笑っちゃうほどです。ラーメンを食べるのに、まずは整理券をもらい、その上で長〜い大行列に並ばなくてはいけなかったのですから(笑)。

 

マイナスの例で言えば、「大腸菌O157」 の元凶は、カイワレ大根にある!」と一斉に報道(後に誤報と判明)されたことによって、カイワレ大根業者が大損害を受けたことがありました。また、数年 前、当時の報道番組『ニュース・ステーション』の番組内で、埼玉県所沢産の野菜とダイオキシンとの因果関係についての誤報道をめぐり、法廷闘争にまで発展 した(後にテレビ朝日側が謝罪。和解した)ことも、記憶に新しいでしょう。

 

 このように、メディアの報道(特にテレビ)の与える影響は絶大です!今後は、ますますインターネットが我々の生活に入り込み、テレビの影響は、相対的に小さくはなるのでしょうが、現時点においては、お客様(消費者)に与える影響力としては、まだまだテレビの圧勝です。

 

  そこで、冷静に考えるならば、我々もメディアのプラス面を有効に活用しない手はありません。メディアに「これは面白い!」と思わせる『ネタ』を提供すれば 良いわけです(笑)。ここで登場するのが、菜菜、GTR、焼きラーメン、ちゃんこラーメンなどの“花月メディア戦略商品部隊”です。各メディアの関係者の 方々も、“新鮮な面白いネタ”を探して、日々日本中を徘徊されていると思いますが、早々面白いネタは見つかりません…。ハッキリ言って“ネタ切れ”です (笑)。

 

  でも、ラーメン菜菜は、極上のネタです!冗談でもなんでもなく、僕は本気でそう思うのです。何故なら、『野菜だけで作ったラーメン』は、これまで、この地 球上には存在していなかった(恐らく)のですから…。動物系のダシで作ったスープに、大量の野菜をトッピングした“偽装野菜ラーメン”などは確かに存在していましたが、具も、麺も、スープも、何から何まで野菜だけで作った超画期的なラーメンに、ネタに飢えているメディアが飛びつかない筈がありません (笑)。

 

  GTRにも、同様の期待が持てます。何といっても“トマト”ですからね…(笑)。 今までのラーメン業界の常識ではあり得ません。『トマト+ラーメン』など という商品は、ラーメンマニアのお客様からみたら、邪道極まりない典型でしょう(関西地区を除く)。だからこそ、「面白い!」となるわけだし、しかも、食 べてびっくり、これが本当に「美味しい!」のですから。面白くて美味しい、この“二つのインパクト”があれば、これは、メディアが絶対に興味を持ってくれること間違いありません!焼きラーメンの、メディアにおける“活躍ぶり”に関しては、前回紹介した通りです。要するに、菜菜やGTRなどの変り種ラーメンは、メディアに登場することを主目的として開発された商品であり、メディアに取り上げられることによって、花月ブランドの知名度アップに貢献してもらうための『メディア戦略商品』なのです。

 

  ですから、逆の意味で言えば、これらのメディア戦略商品は、実際の出庫数云々に縛られる商品ではないということです。誤解を恐れずに、且つ極端に言ってし まえば、店舗での出庫数が仮に“ゼロ”でも、テレビに取り上げられさえすれば、その役割は十二分に果たしたことになるのです。花月ブランドを広く世の中に 紹介することができれば、その目的は達成されるのです。実際に、『菜菜2』は、『めざましテレビ』が取り上げてくれました。勿論、放映された時間帯やその内容によって評価は様々ですが、基本的戦術としては、“数打てば当たる!”の精神で“ガンガン”メディアに売り込んでいく営業努力が、何よりも重要です。

 

  また、前回も触れていますが、実際の出庫数を期待するとなれば、そこは、大物期間限定ラーメンの出番です。言い訳無用の、絶対的使命を持って出撃するの が、大物期間限定ラーメンの“任務”なのです。売れたか?売れなかったか?まさに、命がけの真剣勝負の場に生きるのが、『大物の証』なのです。要するに、『対メディア戦略商品』も、『大物売れ筋商品』も、それぞれの良さを最大限に発揮することによって、“トータルで”花月ブランドの価値をお客様 により深く理解してもらい、その結果、我々のビジネスとしての利益に結びつけることができれば、戦略的勝利を結んだと言えるでしょう。

 

 余談ですが、仮に、大物期間限定ラーメンがどんなに美味しくても、それをメディアは絶対に取材しません!何故なら、美味しいだけでは面白くないからです…(笑)。

 

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店内外設置物の基本形とは?

 

 

  花月では、新商品が登場するごとに、タペストリー、のぼり、ポスター等の宣伝備品が製作されますが、これらを設置するときの基本的考えを述べます。まず、 『のぼり』ですが、新商品発売当日には、基本的に全ての のぼりが新しい新商品のぼりで統一されなくてはなりません。例えば、GTR3のデビュー時には、全ての のぼりが『GTR3のぼり』に切り替わらなくてはいけません。何故なら、新商品を発表しているわけですから、その新商品を大々的にアピールする必要がある からです。今の主役は、最新の新商品なのですから、それを全面的にお客様にアピールすることが、のぼりの大きな役割です。しかも、同じのぼりが統一して 揃って同時にはためく姿が美しいのであり、だからこそ、お客様の視線もハートも釘付けにするのです。

 

  それに対して、よくある駄目パターンの典型が、新・旧のぼりを双方ゴチャゴチャにして設置している場合です。言い訳としては、少しでも色々な商品を宣伝し たい!食べてもらいたい!在庫を減らしたい!(笑)ということなのでしょうが、根本的に、この考えは過ちです。何故なら、のぼりの役割とは、お店の雰囲気 を根底から“替える”ことによって、新しく生まれ変わったお店の姿を、お客様に認知してもらうことにあるからです。その大切な最初の“きっかけ作り”が、 のぼりの一番重要な役割なのです。

 

  ところが、何種類もの複数の新商品のぼりがはためいていては、お客様から見て、何が生まれ変わったのかが全く分からなくなってしまうのです。言い換えれば、お店が“新陳代謝”していることを表現する役割ができなくなってしまうのです。こんなもったいないことはありません。家庭でも、五月ならば鯉のぼり、 十二月にはクリスマスツリーを飾ったりと、季節の移り変わりを肌で感じるアイテムを大切にするのが、日本人の伝統になっていますよね…。間違っても、鯉のぼりとクリスマスツリーを同時に飾る家庭は見たことがありません…(笑)。

 

  『タペストリー』の役割も、のぼりとほぼ一緒です。家で例えるなら、玄関のドアのような存在でしょうか?余程の大豪邸でもない限り、各家庭の玄関は普通一 つであり、あっても裏口があるぐらいですよね?同じサイズの玄関が二つ並んであったら、どちらからお邪魔していいものか相当難しい問題だと思うのですが、 花月の店舗でも、二種類の異なるタペストリーを同時に設置しているお店がたまにあります…。例えば、菜菜と一番星を並列して設置しているような…。これも お客様が迷うだけです。新陳代謝している姿を見せるチャンスを、自ら放棄している行為です。一つにしましょう。

 

  『店内新商品ポスター』の役割は、家で例えるなら、壁に飾られた絵画や書画といったところでしょうか。自慢の絵画は、一番目立つところに、誰しもが飾りた いですよね。ポスターもまったく同じです。バランスよく、きちんと見栄えよく設置しましょう。また、そうした絵画も、きちんと『額縁』に収められているよ うに、新商品ポスターも『ポスターパネル』にちゃんと入れて設置しましょう。たまに、ポスター がむき出しのまま直貼り設置しているのを見かけますが、それはやめましょう。何故なら、ラーメン店の宿命ともいうべき“湯気”によって、ポスターはすぐに ヨレヨレとなってしまうからです。そんなヨレヨレポスターを見て、お客様が新商品を注文したくなると思いますか?絵画も、むき出しにして壁に飾る人はいないですよね?それと同じことです。

 

  これは余談ですが、手書きの宣伝ポップ等も絶対にやめてください。店内いたるところに手書きのポップをベタベタ貼って、自己満足している店舗をたまに見か けますが、とんでもない勘違いです。これは、花月ブランドの統一が損なわれるということよりも、お客様がそれを見て、不快・不安になるから駄目なのです。

 

  実は、僕自身は、手書きポップによる販促に、何が何でも絶対反対という立場ではありません。ただ、この手法は、非常に高度な販促テクニックであり、免許皆皆伝の達人の域に達した人だけが効果を生むことが可能となる“極意中の極意”が、この手書き販促ポップには秘められているのです。それを素人が安易に手を出 せば、お客様からの強烈な手痛いしっぺ返しが待っていること請け合いです。それぐらい怖い販促方法が手書きポップ販促なのであり、だから僕は、この手法を否定するのです。車の免許のない人が、車を運転したらどうなるか…?ましてF1を…。考えただけでゾッとしますよね…。それと同じことです。その代わり に、本部指定備品を使えば、安心・安全に怖い思いをすることなく販促活動ができるのですから、この方が良いに決まっているのです。

 

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商品名はフルネームで!

 

 

  前回、『商品のキャラクター化』について述べましたが、よりこの戦術をお客様に理解・浸透させていく一番の手法が、“商品名は必ずフルネームで呼ぶ!”と いうことなのです(新商品・レギュラー商品共に)。勿論、この話は、「ラーメン二丁お願いします!」等の『オーダー通し』時における従業員間用語のことで はありません。『お客様に対する接客用語の場面』でのことです。典型例が、オーダー確認時、もしくはオーダー提供時における接客用語です。

 

  オープン時の新店舗に顔を出すと、案の定、不慣れな新人のスタッフの方が、「味噌ラーメンがお一つですね…」「一番星がお二つ…」「お待たせいたしました!塩ラーメンのお客様は…」「つけめんのお客様は…」となっているわけです…。このような新規オープン時はある程度致し方ありませんが、それでも、新商 品戦略を打ち出している以上、その効果を一時的にせよ、損なうことになります。先ほどの例で言えば、「嵐げんこつみそらあめん(黄金の味噌ラーメン)…」 「ラーメン街道一番星再改…」「嵐げんこつらあめん塩…」「豚そばつけ麺(無双つけめん)…」と、正式なフルネームでの商品提供を徹底させていただきたい のです。

 

  理由は単純で、言葉の発声(音)によって、お客様の意識の中に商品名をしっかりとインプットすることが、より一層できるようになるからです。そうすること によって、キャラクター化された商品名との相乗効果がより発揮され、それが“お客様と我々との絆を強固にするチャンス!”となるからです。「花月って面白いラーメン出してるな!」「他のラーメン店には、こんな商品は絶対ないよね〜!」と、花月のラーメンに対する興味・愛着がいっそう湧いてきて、その強烈な インパクトに、「他のラーメン店では刺激が足りない!」と感じてくれたら…(笑)。こんな熱き思いが、『商品名はフルネームで!』には込められているのです。それを単に、「味噌ラーメン」「塩ラーメン」と発声するに留めてしまうと、せっかくのチャンス!(お客様との絆)を失ってしまうことになりかねませ ん。これは、本当にもったいないことだと思いませんか?

 

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画期的アイディア!新商品専用Tシャツ

 

  昨年の『ラーメン街道一番星改Tシャツ』からスタートした新商品専用Tシャツ(ユニフォーム)ですが、これは本当に超〜画期的な戦術です!新商品登場ごと に、スタッフのユニフォームが替わる。しかも、それが同時に、新商品を宣伝する強烈なアイテムにもなっている。さらに、真新しいユニフォームに着替えるた びに、お店のスタッフのみんなも気分一新!気持ちイイ〜!となる。これはまさに、新商品が登場するたびに、お店全体が生まれ変わるような高揚感を、お客様 とスタッフが一緒に味わえる!こんな『マジック!』のような“シャレた演出”を、どこのラーメン店が考えつくでしょうか?いや、飲食業界全般を広く見渡し ても、僕の知る限りでは、見たことも聞いたこともありません。前述したように、通常は、タペストリー、のぼり、ポスターなどが新商品の販促ツールの定番でしょう。そこに、ユニフォームまでが加わるわけですから、史上最強の新商品販促術カルテットの完成ですね(笑)。

 

  繰り返しになりますが、これは、我々の新商品戦略の中でも極めてオリジナルな、誇るべき戦術です。他のライバルは絶対に真似ができないし、やる気もありま せん(笑)。何故なら、こんなにも短期間に、次々とキャラクター化された新商品を登場させることができる我々の新商品開発力なしに、この戦術は成り立たな いからです。仮に、ライバルがこの戦術を真似したとしても、単なる『味噌ラーメン新発売Tシャツ』では、面白くもなんともないですからね…(笑)。

 

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花月ブランドの樹立!

 

 

  『新商品戦略本論四部作』いかがでしたでしょうか?現時点でのベストな戦略がこの新商品戦略だと、僕は確信しています。これまでの内容を総括的に一言で表 現すれば、『花月ブランドの樹立!』これに尽きると思います!言ってみれば、これまでのラーメン業界は、『ノンブランドのラーメン店の集合体』であり、統 一されたブランドレベルには、まだ誰も到達してはいないのです。それは、お客様街頭インタビューをすればすぐにわかるはずです。新宿の街行く人に、「あな たの好きなラーメン店は?」と質問したら、恐らく何百通りのラーメン店が答えに挙がってくるのではないでしょうか?ある人は『大勝軒』、ある人は『二 郎』、ある人は『春木屋』…と。これらのラーメン店は、決してブランドではありません。それはラーメン店の“屋号”であり、ブランドとは全く別のものです。仮に、質問の内容をちょっと変えて、「あなたの好きなハンバーガーショップは?」と質問したら、どんな答えになるでしょうか?恐らくほとんどの方が、 『マクドナルド』『モスバーガー』と答えるのではないでしょうか?これが、真の樹立されたブランドというものです。日本中の誰もが知っているのが、樹立されたブランドである絶対条件です。

 

 ところが、前述したように、ラーメン業界は21世 紀に突入した現時点においても、あいかわらず“個人商店の集合体”であり、日本全国のお客様誰もが知っている、統一されたラーメンブランド樹立には程遠い 状態です。言い換えれば、“バラバラな、ノンブランドの寄せ集め状態”に、誰しもが安住しているのです…。何故かラーメン業界だけが、昔からこのような状態なのです。

 

し かし、時代はこれからますます大きく変貌しようとしています。時代の変革時には、必ず新しいブランドが立ち上がるようになっているのです。お客様も潜在 意識の中では、ラーメン業界に大変革を求めているはずだと、僕は確信しています。ここに最大の『ビジネスチャンス!』を見たのが花月であり、そのチャンス を掴みとる戦略が、この新商品戦略そのものなのです!要するに、ノンブランド状態のラーメン業界に革命を起こし、全国区としての人気と知名度を獲得するこ とによって、その中に花月ブランドを築き上げる!これが我々の仕事であり、使命でもあるのです。

 

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嵐げんこつらあめん(ニンニクげんこつラーメン)に感謝!

 

 

  花月の新商品戦略の“大功労者”は、実は、『嵐げんこつらあめん』なのです。逆に言えば、このラーメンがなければ、新商品戦略は、ただの養殖ブランド戦略 となってしまうからです。何故なら、何事においても中心点がなければ、それはただの“烏合の衆”となってしまい、バラバラなラーメンをランダムにただ並べ ただけの、“ラーメン百貨店”となってしまうからです。事実、日本全国のラーメン(札幌みそラーメン、喜多方ラーメン、博多とんこつラーメンなど)をメ ニューに揃えて、そのこと自体を売りにしていた養殖ブランドが存在していました…。 色々な種類のラーメンを紹介するのはとても大事な事ですが、やはり、自分達のブランドの核となるラーメンがあってこその新商品であるべきです。要するに、 どんなに強烈な新商品が登場しても、最後は「やっぱり『嵐げんこつらあめん』だね!」と、お客様に愛されるラーメンの存在があればこその新商品戦略なので す!ここで一言、「ありがとう!嵐げんこつらあめん!」 

 

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キャラクター化した商品名

 

 

  花月の新商品戦略の特徴の一つに、商品名に凝るというのがあります。よく取材を受けるときに、「花月さんのラーメンのネーミングは、どれも面白いですよ ね!」といわれることがありますが、こんなときに僕は、「ヨッシャー!」と心の中でガッツポーズをしているのです。新商品のネーミングが面白いと思ってく れる=新商品戦略の一部を理解してくれていると思うからです。

 

 自分でもこれは傑作だ!と思うものといえば、『磯の系ラーメン』『GTR』 『モー味噌。』『豚そば銀次郎』あたりでしょうか?特に、個人的な好みで言えば、『磯の系ラーメン』がベストでしょうね(笑)。『磯の系ラーメン』はまさ しく、海藻を使ったラーメンだということをネーミングで表現できているし、また、○○系と言えば、今やラーメン店の代名詞(家系・背脂チャッチャ系・二郎 インスパイア系など)になっているし、さらに、サザエさんの「磯野家」にも少しオーバーラップするイメージで、再び海藻類がテーマなんだと理解されるとこ ろが、とてもシャレたネーミングだと思うのですが…(笑)。

 

 ところで、そんなにネーミングに凝って販売戦略上どうなるのか?ということになりますが、実は、新商品戦略の重要な意味が、このネーミング戦略には隠されているのです。僕たちの世代(昭和40年代生まれ)は、戦後の混乱を経験することなしに生まれた新人類と呼ばれた世代(もはや旧人類?)なのです。この世代の子供たちは、ウルトラマン、仮面ライダー、ガッチャマン、マジンガーZ… な どのいわゆるヒーロー者がテレビに登場(しかもカラーで!)し、その後も多種多様なヒーローが誕生するその奔りが、まさに僕の世代だったのです。ライダー カードなんかを夢中で集めたのが懐かしいですね。このように、戦後生まれのテレビっ子世代にとっては、キャラクターに固有のネームがあるのが当たり前 なのです。

 

 一般のラーメン店の新商品のネーミングは、『新商品・坦々麺』『新商品・みそラーメン』『新商品・とんこつラーメン』『新商品・つけめん』…な ど、全然面白みのないネーミングばかりです。これは、ネーミングというよりも、単なる種類を表す一般名詞にしか過ぎません。自分の子供に、「山田日本人」 とか「田中男性」とか「鈴木小学生」なんて名前を付ける親はいないはずですよね(笑)。それと同じ意味で、自分たちの生みだ した新商品には固有の名前を付けるのが、親としては当たり前だと思うのです。ですから、たとえラーメンと言えども、きちんとしたネーミングを与えて、命を 吹き込んでやるのです。それがお客様、特に戦後のテレビ世代の申し子といえる新人類以降の世代にとっては、親しみやすさに繋がることによって、より新商品 に興味を持ってもらうことができると思うわけです。

 

社内報「Grow up Beatvol.33 平成19625日より

花月ブランド戦略設計図 歴史的偉業へ向けてGO!!パートⅠ

 

花月ブランド戦略設計図 歴史的偉業へ向けてGO!!パート 

 

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ラーメンはビジネスとなりえるか?

 

 

『ラーメンビジネスは、外食産業の中で最後に残されたパラダイス(楽園)である!』

 

  これは、某大手ラーメンチェーンの社長様の有名なセリフです。僕も、全く、完全に、百パーセントこの意見に同感です。しかし、残念ながら、このパラダイス を享受できるのは、我々『花月ブランド』だけなのです。冗談でもなんでもなくて、僕は本気でそう考えるのです。ラーメンビジネス=最後のパラダイス=花月 ブ ランドという図式が、ハッキリと僕の頭の中には”イマジン“されているのです。

 

  イマジンとは、”想像する“という意味ですが、実は、これまで誰もが真面目に、『ラーメンがビジネスになる!』とは想像してこなかったのです。何故なら、 ビジネス=ブランド戦略という、ごく当たり前の一般的な考え方が全く通用してこなかったのが、ラーメン業界だからです。自動車業界にしろ、家電業界にしろ、ファッション業界にしろ、最も身近なハンバーガー業界にしても、ビジネスである以上は、ブランド戦略(展開)が基本中 の基本であるはずです。ブランド戦略の成功が、そのビジネスの生命線にさえなるのが”普通“の ことです。これに失敗すると、ビジネスは成り立ちません。かつてバブルの頃、自動車メーカーのマツダが、『ユーノス』『アンフィニー』などの多角化ブラン ド戦略に失敗。会社存亡の危機の中、フォードの支援を受けざるを得ないという事態に追い込まれたのは、記憶に新しいところでしょう。”ビジネス=ブランド戦略“という公式は、細心の注意を払って練り上げ、育ててい くものという概念であり、それが、多くの業界にとっての”共通認識“なのです。

 

  ところが、今までラーメン業界においては、ブランド戦略という言葉さえ、使われることなど皆無でした。それどころか、ビジネスという言葉も、この業界には どこか不似合いな印象で、その代わり、”弟子入り“”修行“”弟子の独立“”のれんわけ“などの言葉にそれが置き換えられ、師匠の屋号に似た屋号を引っさげて、新たにラーメン店を構えるという慣わしがありました。一方、”水商売感覚“でラーメン店を開業し、『何だ、全然儲かんねえな…』と、すぐに店を畳んでしまう人もいれば、『行列のできるラーメン店なんて、俺にはすぐできる!』と豪語して始めたものの、これまた早期に撤退に追い込まれる人…、中には、芸能関係者の幅広い人脈をフルに使って、人工的に行列のできる 繁盛店を捏造する人など、どれにしても、ビジネス・ブランド戦略という言葉の響きとは相容れない様相が、確かにラーメン業界には昔からあるのです。要する に、ラーメン業界は、今も昔も”個人商店“”パパママストアー“”水商売“の範疇の中に囲われているのです。別に、個人商店が悪いとか良いとかそういう問 題ではありません。そこには、ビジネスモデルとも違う、ブランド戦略とも相容れない、一種独特の世界観が出来上がっているのです。

 

 それは、いったいどんな世界観なのでしょうか?

 

 『俺のやりたい店をやる!』

 『ラーメンが好きだからラーメン屋をやる!』

 『ラーメンだったら、俺にも手っ取り早くできるだろう…』

 

 要するに、自分の気持ちの赴くままに、『ラーメン屋をやってみたい!』という感情で突っ走ってしまう人が圧倒的に多いのが、ラーメン業界なのです。そして、不思議なことに、その状況に誰も疑問に思うことなくここまで来てしまったのが、ラーメン業界の最大の特徴なのです。

 

  同じ飲食業界でも、他の業種と比較してみると、その違いは一目瞭然です。例えば、ハンバーガー業界はどうでしょうか?マクドナルド、モスバーガー、ロッテ リアなどの大手が市場を独占しています。勿論、彼らは、最初からビジネスとして十分に計算をし、各々のブランド戦略に則って日々競争しています。そこに は、個人商店が立ち入る隙は微塵もありません。そもそも日本には、ハンバーガーなる食べ物は存在していなかったわけですから、日本に輸入されてきた当初か ら、ビジネスモデルありきのブランド戦略が展開されたのです。要するに、”ハンバーガー=ビジネスモデルそのもの“だったわけです。最初から個人商店の出る幕はありません。

 

  また、牛丼業界もしかりです。ハンバーガーに比べれば、日本オリジナルの食べ物といえますが、長い歴史を辿りながら、日本独自の牛丼ビジネスモデルとして 完成されてきたのです。吉野家、松屋、すき家などの各ブランド戦略は、今や緻密に計算され、その中で、飲食ビジネス業界の歴史に残るような壮絶な死闘が、 日々、我々の街のいたるところで繰り返されているのです。

 

  カレー業界などは、ココイチさんの完全一人勝ちで、既に勝負がついています。喫茶店のカレーから始まったココイチさんでしたが、当初から、カレーという食 べ物には『大いにビジネスチャンスあり!』と考え、ブランド戦略をスタートさせたのです。その結果、外食のカレー=ココイチという独占的図式ができ上がっ たわけです。

 

 ちょっと目線を変えて、宅配ピザ業界はどうでしょうか?こちらも、今更言うまでもなく、ピザーラさんのビジネスモデルとブランド戦略に、他社は大きく水をあけられてしまいました。勿論、個人商店の宅配ピザ屋さんの存在などは聞いたことがありませんよね(笑)。

 

  ここでもう一度、ラーメン業界に目を向けてみましょう。マクドナルドや吉野家、ココイチなどの他の業種には、いわゆる”ビックネーム・ブランド“がある一 方で、ラーメン業界におけるビックネーム・ブランドとは、どんなブランド名でしょうか?すぐに思いつく人はいますか?『大勝軒』?『春木屋』?『吉村家』?残念ながら、これらはブランド名ではありません。これらは、ラーメン店の”屋号“で す。何故なら、ブランドという以上は、誰に聞いても『知っている』とな らなければなりません。例えば、沖縄在住の人が『春木屋』を知っているでしょうか?札幌在住の人が『吉村家』を知っているでしょうか?よほどのラーメンマ ニアの方以外は、まず『知らない』と答えるでしょうね。『大勝軒』は、昨今におけるメディアの強い影響で、日本中の多くの方が『知っている』となるでしょ うが、では、『食べたことは?』と聞いてみれば、多くの方が『食べたことはない』と答えるのではないでしょうか。いくら有名でも、自分が食べたことがない ラーメンをブランドというのは、いささか無理があるというものです。特に飲食の場合は、我々の日常に深く密着しているのですから、食べたことがないのであ れば意味がありません。バッグや靴などの高額ブランド商品とは違うわけですから…。それに、ブランド戦略の定義にもよりますが、最低限の店舗数がないこと には、意味がありません。

 

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ビック・ビジネスチャンス!が眠っている!

 

 

  ここまでの流れを要約すれば、ラーメン業界においては、ビックネーム・ブランドも存在していなければ、ビジネスモデルとしての考え方も導入されていなけれ ば、ブランド戦略も全くおぼつかない状況のまま、時が過ぎているのです。しかも、そのことに誰も気が付いていないのです。ラーメン業界に携わる人も、ラー メンマニアも…です。

 

  実は、ここにこそ、”パラダイスに相応しいビジネスチャンス!“が 眠っているのです。誰もが何の疑いもなく、ラーメン=個人商店、ラーメン=パパママスト アー、ラーメン=水商売、ラーメン=ラーメンマニア、ラーメン=ラーメン職人、ラーメン=行列のできる店、ラーメン=非ビジネスモデル、ラーメン=非ブラ ンド戦略だと思っていること事体が、このパラダイスを覆い隠して、目に見えないようにさせてしまっているのです。言い換えれば、みんながラーメンの本当の 可能性を誤認、誤解、錯覚、妄想してしまっているのです…。結果的に、誰もがラーメンの輝ける素晴らしい未来をイマジンすることができなくなっているのです。だからこそ、この現状を深く理解し、ラーメンの未来をイマジンすることができる人にだけ、この最後のパラダイスが鮮明に見えるというわけです。勿論、 このパラダイス=ビジネスチャンス!に気が付いた”少数派のラーメンチェーン(と○太、く○まや、etc…)“が、我先にこのパラダイスに辿り着こうと、遥か以前から”暗躍“していたのも一つの事実ですが、残念ながら、このパラダイスに無事に辿り着けたラーメンチェーンは、これまで一つもありません。

 

 なぜか?

 

実は、答えは意外なほど簡単です。

 

 ”センス“がなかったのです。

 

 ラーメンをビジネスチャンス!と捉え、ブランド戦略を構築しながらも、このパラダイスを享楽するためのセンスを誰も持ち合わせていなかったのです…。

 

  これは、いわゆるビジネスセンスのことではありません。どのラーメンチェーンもそれなりにビジネスセンスを持ち、それなりの努力をして、パラダイスに向 かって猛進したとは思いますが、正直、それだけではだめなのです。ラーメンビジネス=パラダイスと見抜いたセンスは賞賛に値しますが、もう一つ上のランク のセンスが要求されるのです。このパラダイスに辿り着くためには…。

 

 それはなにか?

 

  例えて言うならば、”アーティストの感性に近い芸術的センス“と でもいいましょうか?芸術家が、自分自身の内面から湧き上がる情熱を自身の作品に投影する ように、ラーメンブランド戦略を創造することに成功したラーメンチェーンだけが、この至福のパラダイスに到達することができるのです。何故なら、ラーメン という食べ物は、他の食べ物とは違い、個人の思い入れが非常に強く、その嗜好性に物凄く影響をおよぼし、さらに、地域性の違いから来る特色や、テレビの ラーメン番組の影響をもろに受けるという歴史的事実がある、そんな複雑怪奇な食べ物がラーメンなのです。好きとか嫌いとかの単純な基準で測ることができな い、まして、ハンバーガーやカレー、ピザとは同じ次元では決して測れないほどの、奥が深く、魅力ある食べ物が、ラーメンなのです。ココの理解が不十分のま ま、パラダイスを目指したところで、それは、砂漠の中の蜃気楼をパラダイスと見誤るほど虚しく、虚脱感に襲われる結果になろうというものです。

 

 外食産業に残された最後のパラダイスに辿り着ける条件は、

 

1まず、ラーメン業界が最後に残されたパラダイスであるという事実に気付くこと

2ラーメン業界にきちんとしたビジネスモデルを取り込めること

3しっかりとしたブランド戦略を構築することができること

4アーティスト並みの優れた芸術的センスで、そのブランドを磨いていけること

 

 これらの条件を満たすことができるラーメンチェーンだけが、最後のパラダイスを享受し、謳歌することができる”勝ち組“だということです。

 

 僕は、”花月ブランド“こそが、この最後の楽園をゲットするのに最もふさわしいブランドであると自負するのです。では、この僕の自信の根拠は、どこから来るのでしょうか?

 

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花月ブランドの設計図 天然ブランドからのスタート!

 

 

  偶然のようにスタートしたラーメン花月も、当初はごく普通の個人商店でした。主力のラーメンも、現在の”嵐げんこつらあめん“(ニ ンニクげんこつラーメ ン)ではなく、シャキ玉ラーメン(当時の商品名は中華そば)でした。そのとき、僕の頭の中には、どのようにすれば美味しいラーメンができるのか?どうすれ ばお客様が来てくれるのか?そのことだけでした。それこそ、ブランド戦略、ビジネスモデルなどの言葉など、考える余地は全くなかったのです。このような生 い立ちでスタートするブランドを、僕は”天然ブランド“と呼びます。一方、開業当初から緻密なブランド戦略を描き、はじめにビジネスモデルありきでスタートするのを”養殖ブランド“と呼びます。

 

  これらは僕のオリジナル用語ですが、どちらが良い、悪いという問題ではありません。先ほどの例で言えば、ハンバーガー業界は、完全に養殖ブランドが多数を 占める業界です(日本においては)。それに比べ、ラーメン業界は、そのほとんどが天然ブランドで占められています。これが、ラーメン市場の実に七割が個人 商店であるという事実に符合するのです。

 

  このように、花月のスタートは、単なる一個人商店だったわけですが、ここで転機が訪れます。それが、ニンニクげんこつラーメンのデビューのときです。主役 のラーメンが交代するという、前代未聞の珍事件?を経て、僕の頭の中には、ラーメン業界は、まだ誰もブランド構築に成功している例がない…、近い将来、必 ずラーメン業界にもブランド化の波が押し寄せるはずだ!一日も早くブランドを立ち上げなくては、この業界にも自分自身にも未来はない!という考えが、怒涛 のごとく渦巻き始めたのです。そこからが、本当の花月ブランドのスタートとなったわけです。

 

  今でこそ、嵐げんこつらあめん(ニンニクげんこつラーメン)ですが、実は、当初は、『ニンニク”とんこつ“ラーメン』という商品名でのデビューでした。理 由はシンプルで、当時は、博多長浜とんこつラーメンの大ブームが、東京を席巻していたからです。都内に新たにオープンするラーメン店のほとんどが、”博多 長浜とんこつ…“と名乗っていたのです。そのブームの火付け役が、環七にあるラーメン店『なんでんかんでん』だといわれています。ブームの理由は、当時の 東京には、本格的な九州のとんこつラーメンは、まだ上陸していなかったのです。お湯で薄めたようなとんこつ”風“ラーメンしかなかった時代に、なんでんかんでんの店主が、時代を先取りしたかのごとく、本場のとんこつラーメンを東京に持ち込んで、それに火がついたのです。そこで僕は、そのブームに便乗して (笑)、ニンニク”とんこつ“ラーメンと名乗ることにしたのです。ご存知のように、ラーメンのカテゴリーでいえば、ニンニクげんこつラーメンは、とんこつ ラーメンではなくて、”豚骨醤油(背脂チャッチャ系)“というのが正しい分類になるのでしょうが、それを承知の上で、ニンニクとんこつという商品名でデ ビューさせたのです。しかも、博多長浜というサブネームも付けて…。これが、花月ブランド初の戦略的発想だったわけです(笑)。
 

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ロングセラーを目指す戦略

 


  次なる花月創成期における原始戦略的発想が、花月ブランドはロングセラーを目指す!ことでした。ベストセラーとロングセラーの違いは、以前の社内報でも説 明しましたが、これは要するに、『人気商品として、今も生き残るのか?』『瞬間の人気に生きて、即散るか?』この、人気商品としての『生き様の違い』があ ると思うのですが、花月ブランドは、絶対にロングセラーを目指そうと、戦略的に考えたわけです。これは、あくまでも考え方の違いであり、ベストセラーを連 発することができるような体力のある人(ベストセラー戦略は、連発し続けなければ意味がないから)はそちらの道を選べばいいし、そのような体力もなけれ ば、生来の怠け者と自負する人は、ロングセラーを目指せばいいわけです。どちらの戦略も間違ってはいません。ただ、自分の個性に合わせて選択すればよいの です(選択したとおりの結果になるとは保障できませんが…)。

 

  ちなみに、ロングセラーを目指す戦略を、僕は”所ジョージ戦略“と 勝手に呼ばせてもらっています。何故なら、所さんは、芸能界における究極の超ロングセ ラータレントの一人だからです。所さんがデビューしたのは、一九七〇年代です。以来、長きに渡り第一線で活躍されているのは、ご存知のことだと思います。 その背後で、どれだけの時代を揺るがすスターが登場しては消え、登場しては消えを繰り返してきたことでしょうか。最近のお笑い界の例でいえば、テツアンド トモ、ギター侍…等(笑)。別に、所さんがお笑い界の人間とは思いませんが、所さんは、今も昔も所ジョージというキャラクターはそのままであり、その人気 は衰えを知りません。しかし、所さんは、決して芸能界の表舞台の中心に立とうとは思っていないのです。そのポジションは、誰かに任せているのです。

 

  そもそ も所さんは、そのポジションには興味がないのです。何故なら、そこは、グルグル目まぐるしく主役が日替わりで入れ替わるポジションだからです。所さんは、 そのことを誰よりも理解している人物だと思います。グルグル入れ替わる主役よりも、永久に入れ替わらない脇役のポジションのほうが、結果的に人気が持続す るのです。日本中が『何でだろう〜?』『残念〜!』というネタに大うけしている最中でも、それを涼しい顔で聞き流しているのが、所さんなのです。いちいち その人気に嫉妬する必要もなければ、自分と比べる必要もないのです。逆に言えば、この我慢ができないタレントさんは、ロングセラー狙いを止めて、ベストセ ラー狙いへ進むべきです。

 

  ラーメンも全く同じです。ロングセラーの道を進む戦略を取っているラーメンブランドが、町の行列のできるラーメン店にいちいち嫉妬する必要はありません。 何故なら、いずれその行列も、何事もなかったのごとく霧散するのですから…。先ほどのラーメン店『なんでんかんでん』さんも、その人気の頂点の時は、行列 が環七沿いに百メーターはできていたと記憶していますが、今、その面影を探すのは至難の業です…。それでも、どうしても行列のできるラーメン店が気になって仕方ないという人は、路線変更、体力勝負のベストセラー戦略に舵を切ればいいだけのことです。

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モノコンセプトからマルチコンセプトへ

 

 

  「花月ブランドはマルチコンセプト戦略である!」と、僕はいたるところで説明しています。マルチコンセプトとはなにか?これも以前の社内報で説明していま すが、一言で言えば、時代の流れに合わせて変幻自在に自らを変化させることができるコンセプト、これがマルチコンセプトです。それとは反対に基本的に単一 商品、単一戦略から作り上げられたのがモノコンセプトです。

 

  ビジネスの世界では、市場が物の価値を決め、お客様の求めているものを提供することがビジネスの基本であり、また、時代の流れとともに、お客様のニーズや ウォンツも変化していくわけですから、当然こちら側も、それに合わせて変化対応していくべきです。時代の流れというものは、その時々の技術革新や新たな価 値観の創造により動かされているのであり、この流れは誰にも止められません。大切なことは、時代の流れに逆らわずに、自らも進化していくことです。このビ ジネスにおけるごく当たり前の基本を、ラーメン業界の中でいち早く導入したのが花月ブランドであり、僕がマルチコンセプトだと繰り返し伝える理由なので す。何故なら、ラーメン業界は、ほとんど百パーセント、モノコンセプトだらけの業界だからです。とんこつラーメン店はとんこつラーメンしか出しませんし、 昔ながらのあっさり醤油ラーメン店では、とんこつラーメンはメニューにありません。

 

『俺はこのラーメンに命を懸ける!』

『男ならラーメン一本で勝負してみろ!』

『あんなのはラーメンじゃねえ〜!』

 

 多くのラーメン店主が、自分のラーメンはこれだ!と、なんの疑問も抱かずに主張していますが、例えば、とんこつラーメンのブームが去った後のとんこつラーメン屋さんは、どうするつもりなのでしょうか?

 

 これまで、ラーメン業界の歴史に残るような大ブームは、大きく分けて三つありました。

 

 一つ目は、札幌味噌ラーメンブーム。 

 二つ目は、喜多方ラーメンブーム。

 三つ目は、とんこつラーメンブーム。

 

  記憶にある方もいらっしゃるでしょう。しかし、今、ブームを越えて完全に定着したといえるのは、とんこつラーメンぐらいでしょうか?それも、とんこつラー メン一本で勝負して生き残っているのは、珍しいケースでしょう。様々な試行錯誤を繰り返し、なんとか生き残っているのが関の山です。ブームに乗ってオープ ンしたラーメン店のその多くが、”現役引退“に追い込まれているのが現実なのです。

 

  ある意味、このような流行(ベストセラー)を生みやすいのが、モノコンセプト戦略の恐ろしいところです。モノコンセプトであるがゆえに、一大ブームを巻き 起こすことが可能な反面、そのブームが終焉を迎えると同時に、潮が引くかのごとく、モノコンセプトは飽きられ、即時代遅れの象徴のような扱いを受けてしま うのです。例えブームにならなくても、飽きられたら終わりです。

 

  ところが、ラーメン業界は、多くのお客様も関係者も、誰一人、ラーメン=モノコンセプトであると思い込んでいるのです。これが、僕には不思議でならないの です。確かに今までは、ラーメン=モノコンセプトでも通用していたかも知れません。何故なら、ラーメン業界だけが、特殊な歩みを重ねてきた歴史があるから です。それは、他の外食とは一線を引きます。一番の理由は、ラーメンは非常に嗜好性の強い食べ物であり、また、ご当地ラーメンなどと言われるように、地域 性が非常に反映された食べ物だからです。北から始まって、札幌味噌ラーメン、福島の喜多方ラーメン、山形は冷やしラーメン、佐野ラーメン、荻窪醤油ラーメ ン、横浜の家系ラーメン、和歌山ラーメン、尾道ラーメン、博多とんこつラーメン、熊本ラーメン…。多くのそれぞれの地域を代表するラーメンがしっかりと根 を下ろし、生活の中に密着する形で、その存在を誇ってきた歴史があるからです。その代表が喜多方地区でしょう。なんと言っても、この地区の人々は、朝から 朝食としてラーメンを食べるのが当たり前との話だからです。いかに喜多方ラーメンが地元の人に愛されているかという証拠です。要するに、ラーメン=地域の個性そのもの、文化そのものといえるのです。この現象を他の外食と比べてみれば一目瞭然です。

 

ハ ンバーガーやピザ、ドーナツなどの舶来ものは、説明する必要もなく、日本における地域性の違いなどは全く当てはまりません。カレー(この場合はカレーライ ス)、牛丼、うどん、そばなどの日本発の食べ物も、多少の 地域性の違いがあるのは認めますが、例えばカレーに、大阪の味も東京の味も、大きな違いなどありません。これがラーメンになると、驚くほどの違いが生じる のですから、いかにラーメンという商品が地域の特性に、文化に根ざしたラーメン文化を持っているかがわかるというものです。

 

 しかし、これからの時代は、この地域特性の違いからくるラーメン文化の違いが、音を立てて崩れていくと考えるのが僕の予測です。何故なら、メディアの仕掛けたテレビなどによる”ラーメンブーム“が、広く日本中のお茶の間に情報をもたらし、地元のラーメン以外のラーメンの存在を、多くの方が知ってしまったからです。

 

 『あんなラーメンがあるんだ!』 

 『尾道ラーメンって美味しそうね!』

 『スープがないラーメン?なにそれ?』…。

 

  これは、戦後、ラーメンを愛して止まなかった多くの日本人の意識を根底から変えるという意味においては、ラーメンの歴史上、最も注目すべき事実であり、一 番の大事件です。これがメディアのパワーであり、怖いところでもあります。どちらにせよ、時代の流れは誰にも止められないという経済の原理原則に素直に従 うならば、地元のラーメンだけでは物足りないと思うようなお客様の変化を、今後潜在的にせよ、感じないわけにはいきません。

 

  そして、その結果、ラーメンという市場が大きく様変わりするのです。一部のラーメンマニアや嗜好性の強い食べ物、地域性の強い食べ物という今までのラーメ ンの枠を越え、ファミリーからお年寄り、女性のお客様まで、誰もが気兼ねなく、ごく普通にラーメンを食べる時代…。そんな大きな市場の変化がもう既に現実 に現れているのです。

 

  要するに、時代の必然性からここまでモノコンセプトで歩んできたラーメンの歴史が、メディアの影響から到来することが確実なラーメン市場の大きなの変化の なかで、マルチコンセプトという新たなラーメンビジネス戦略によって書き換えられるときが、もうすぐ目の前まで来ているのです。後は、そのことに誰が気が付くのか?ということなのです。非常に残念なことに、まだ、そのことに誰も気が付いている兆候は見られません…我々花月ブランド以外はね…(笑)。

 

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新商品戦略がラーメン業界を激変させる!

 

 

  天然ブランド+モノコンセプトからスタートした花月の歴史が、ニンニクげんこつラーメンの登場を皮切りにロングセラーを目指すと同時に、ラーメン業界にお ける最後のパラダイスをいち早く見抜き、マルチコンセプトへと大きく変化してきたのが花月ブランドの歴史であり、その最後のパラダイスへの道を具体的な形 に表した究極の戦略が、新商品戦略です。その中でも大きな戦略の軸が、期間限定ラーメンを販売の中心に置き、そこから大物期間限定ラーメン、メディア戦略 商品が生まれることによって、他との差別化を図るという発想です。

 

  しかも、この新商品戦略を実行できるのも、嵐げんこつらあめんという超〜看板商品が、横 綱のごとく、凛々しく、堂々と花月ブランドの屋台骨を支えてくれているからこそ可能な戦略なのです。言い換えれば、ロングセラーの代表選手である嵐げんこ つらあめんを柱にして、時代の変化に対応できるメディア戦略ラーメンが脇を固め、かつ、日本人が生み出したラーメン文化を代表するような個性豊かなラーメ ンを、全国のお客様に大物期間限定ラーメンとしてお届けする、これらの戦略の総称を新商品戦略というのです。

 

  この新商品戦略を可能にするための、絶対に避けては通れない道が、商品開発チームのレベルの向上です。それは、技術的な向上も当然ですが、なにより重要な ことは、そもそも”美味しい“と はどういうことか?美味しい食べ物とそうでない食べ物とは、何が違うのか?多くのお客様が美味しいと思ってもらえる商品の 開発のためには、我々は何をしなければならないのか?これらの疑問に向けての答えを探すことにより、絶対味覚(音楽の世界にも絶対音感を持つ人がいるよう に)の向上を目指したのです。ここに全力投球で体当たりするのが、商品開発部立ち上げの時の最重要課題でした。ハッキリいえば、なにが美味しいのか?なに がまずいのか?それがわからずに商品開発などできるはずがありません。そのためには、できるだけ多くの食べ物に触れ、直接自分の舌で確認するしか方法はあ りません。

 

  勿論、ラーメンに限らず、ありとあらゆる食べ物を自分の舌で確認し、覚えるのです。こうすることを繰り返すうちに、自分の味覚が変化し、様々な食品の構 成、そのバランス、美味しいと感じるツボのようなものがわかってくるのです。そうすることによって、複雑多岐にわたるラーメンの世界(特にスー プ)も、難解なパズルをいとも簡単に完成できるかのごとくに、たちどころにそのツボが解明されるようになるのです。これが、新商品開発には絶対に欠かすこ とができないポイントであると認識しています。それが、花月ブランドを背負って新商品の開発を進めていく商品開発部の使命でもあるのです。このような気持 ちでラーメン業界に挑む姿が、我々の誇りにもなっているのです。

 

 しかし、ラーメン業界には、こうした気概でもって商品開発に情熱を注ぐ姿はあまり見られません。ラーメン屋はラーメンを食べればいい!とか、自分のラーメン以外は食べない!とか…、 どこか意固地にさえ感じるように、この業界の人は、何かとラーメンを特殊なものと扱いたがるのです。僕は、このような姿勢には断固反対です。あらゆるジャ ンルを超えて味覚を鍛えないことには、美味しいラーメンどころか、大福一つも出来はしません。ラーメンという枠を超えた開発をイメージして、そこか らはじめて最高に美味しいラーメンを生み出すことが可能になるのです。

 

  また、ラーメンの開発、新商品の開発という言葉自体も、この業界の多くの方は違和感をもっているように思いますが、そのことだけでも、時代の変化に対応し ていない、気が付いていない証拠です。どこの業界に、新商品の開発をすることなく、悠長に構えている人がいるでしょうか?自由経済の社会の中で、普通にビ ジネスをしていくのに、商品開発を疎かにしたり、その努力を怠っている企業が存在し続けることができるのでしょうか?お笑い界でも、次から次へと新たなネ タを引っさげて登場してくる新人たちが、先輩芸人たちの椅子を虎視眈々と狙っているのですから…。『そんなの関係ね〜!おっぱっぴー』(笑)などと燻っている暇は、どこの誰にもないはずです。いつまでも、ラーメン業界だけが、商品開発という言葉と馴染まない状態で、放置されるハズがありません。この状況か らラーメン業界が脱皮するための大いなる一歩が、我らが商品開発部の軌跡になるのです。

 

 そして、そこから新しいラーメン文化が台頭してくるのです。花月ブランドの新商品戦略が、モノコンセプトに留まるラーメン業界を根底から揺さぶり、さらに、激変させることになるのです! 

 

社内報「Grow up Beatvol.35 平成191020日より 

花月ブランド戦略設計図 歴史的偉業へ向けてGO!!パートⅡ

 

花月ブランド戦略設計図 歴史的偉業へ向けてGO!!パートⅡ

 

前パートの要約

 

 ラーメンビジネス=最後のパラダイス=ビック・ビジネス=花月ブランド

 

という図式がイマジンされていると、前回(パート1)お話ししました。また、その根拠になっている花月ブランド戦略の根幹(ロングセラー、マルチコンセプト、新商品戦略等)についても解説させていただきました。

 

 ここで、改めてパート1を簡単に要約すると、

 

1ラーメン業界は、外食産業に残された最後のパラダイスである

2ビジネス=ブランド戦略という公式は、多くの業界にとっての共通認識である

3一方、ビジネス=ブランド戦略という一般的な考えがこれまで通用しなかったのが、ラーメン業界である

4123に気が付いた者がブランド戦略をラーメン業界に構築することにより、パラダイス(ビック・ビジネスチャンス)を手中に収めることが可能になる

5しかし、4を確実なものとするためには、ラーメンの複雑な歴史的特殊性から判断して、アーティスト並みの優れた芸術的センスが必要不可欠である

6ラーメン業界は、天然ブランドからのスタートがほとんどであるが、他の外食ブランドは、初めから養殖ブランドとしてスタートするケースが多数を占める 

7花月ブランドは、ベストセラー狙いではなく、ロングセラー狙いである(所ジョージ戦略)

8ラーメン業界は、モノコンセプトに留まる傾向が強いが、花月ブランドは、モノコンセプトからマルチコンセプトへと進化・発展を遂げ、新たなラーメン市場へ瞬時に対応することができる

9『嵐げんこつらあめん』を柱にして、期間限定ラーメン、対メディア向けラーメンを開発・販売する戦略が花月新商品戦略であり、これがラーメン業界を根底から揺さぶり、激変させて行くのである

 

 今回のパート2では、パート1の戦略を徹底させるためには何が必要なのか?どんな考え方をしていかなければならないのか?戦術はどうすればいいのか?等を具体的に考察していきたいと思います。

 

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多店舗化の重要性について

 

 

  花月ブランド戦略を進めていくための手段として、当然やらなくてはならないこと、絶対に避けては通れないことがあります。それは、花月ブランドを多店舗化 していくということです。要するに、出店を加速していくということです。前回の社内報でも触れていますが、ブランド戦略を推進していくための一つの定義と しては、やはり、ある程度の”店舗数“が必要不可欠です。チェーン理論を導入するということは、ブランド戦略推進の基盤となるからです。

 

  さらに、お客様の視点で考えるならば、自分の街に、自分の目に見える形でブランドが存在するということが、なにより重要になります。マクドナルドさんや吉 野家さんが日本中のお客様に認知・支持されるようになったのも、日本中に店舗数をどんどん増やしていったからです。単純な話です。決して、テレビの影響 (CM)だけで支持されたわけではありません。そもそも、いくらCMを流すことによりお客様の来店を促してみても、それを見たお客様が、実際に足を運ぶべ き所に、肝心要の店舗が存在していなければ、全く意味がありません。ですから、お客様に支持されるブランドになるためには、早急に店舗開発をして、お客様 一人ひとりの生活圏内に少しでも花月ブランドを近づけていくことが何より急がれるのです。

 

 勿論、ブランドのカテゴリーによって、理想店舗数、出店数は変 わってきます。バックや時計、宝飾品などを扱う、いわゆる”ブランド“という言葉で代表されるブティックなどの店舗展開と、我々外食としての店舗展開は、 その店舗数において直接比較することなどできません。マクドナルドさんの店舗数に追いつくことができるブティックなどはありませんし、そもそもそんなに開 発する必要など、どこにもないでしょうから(笑)。

 

  また、同じ外食としての店舗開発も、外食のカテゴリー別で見れば、必ずしも同等の店舗数が必要とは限りません。花月ブランドの店舗数と吉野家さんの店舗数 を直接比較しても、あまり意味はありません。なぜなら、牛丼とラーメンでは、その嗜好性が余りに違い過ぎるからです。前回も述べているように、ラーメンと いう食べ物は、各地域の特性の違いが顕著で、同じ”ラーメン“と、ひと括りにされても、そこからお客様が受けるイメージは全然違うのです。一般的に、ご当 地ラーメンを売りにしている地域(ラーメンで町興しを推進している地域もある)では、その地域のラーメンが”ラーメン“であり、その他のラーメンは、”エ イリアン“扱いになるのです。それに比べて、”ご当地牛丼“なんて、あんまり聞いたことはありませんよね…。ですから、結果的に、吉野家さんの店舗数が我々の店舗数のはるか上を目指していても、なんら不思議なことはありません。吉野家さんの場合は、概ね日本中どこにでも店舗展開が可能となるでしょう。これ に関しては、吉野家さんには太刀打ちできません。このことが吉野家ブランドの大きなアドバンテージの一つだからです。

 

 これは余談ですが、新潟県の燕市のラーメンは、今で言う背脂チャッチャ系の元祖といわれていますが、その言葉を鵜呑みにして東京の人が食べると、そのあまりの違いに愕然とするはずです。なぜなら、燕市の背脂ラーメンのその特徴は、麺は極太麺、さらにスープには、”大量の煮干“が入っているからです。これは、東京の人の背脂ラーメンのイメージとは程遠いはずです。見た目は似ているので、余計に戸惑うのです(笑)。

 ※ただし、前回パート1の、 時代の流れが本流にあるという大前提は忘れてはいけません。あくまでも現時点での時間軸で見た場合の話であり、今後未来へシフトするにつれ、ラーメンの ローカルな特徴は薄れ、グローバリゼーション化していくことは間違いありません。そこは混同しないようにお願いします。

 

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花月ブランド出店戦略の真髄

 

 

  花月ブランドの出店戦略にとって一番大事なシステムが、フランチャイズシステム(以下FC)です。外食にせよ、物販にせよ、店舗開発を行って出店数を拡大 していくというスタイルを基本とするビジネスは、非常に優れたシステムであり、実際に多くのFCビジネスパッケージが開発されてきました。中でも、このシ ステムの利点を最大限に発揮して店舗数を拡大させてきたのが、セブンイレブンさんを筆頭にしたコンビニエンス業界です。なにしろ、直営店をほとんど持つこ となく、FCのみで巨大チェーンを築き上げてきた業態です。いかにFCが価値の高いシステムであるかがわかります。勿論、様々なトラブルが生じるケースも あるでしょうが、それは、システムの運用自体の問題や人間関係の問題に端を発している場合があると思います。このFCシステムの発明で、どれだけ多くの人 がその恩恵を受けているのかは、文字通り計り知れません。我々日本人も、多くの恩恵を受けている代表みたいな立場でしょうね。マクドナルドさんの成功&定 着が、その最たるケースです。発祥の地はアメリカなのですからね…。

 

  花月ブランドも、この優れたFCシステムを創業当初から導入し、店舗展開に力を入れてきました。先ほどの出店展開、出店数に関しては、ブランドの業態にも より、それぞれ独自の出店目標数があると思います。セブンイレブンさんは一万店舗を突破し、マクドナルドさんも三千店舗突破、吉野家さんは一千店舗の大台 に乗せています。さすが老舗のブランド力は、他を圧倒しています。我が花月ブランドは、二百店舗突破したところまでは風雲急を告げるがごとくの勢いでした が、ここ数年は、店舗の入れ替えや、リニューアル等の影響か?なかなか次のステージ2(三百店舗体制)に上がる出番がアナウンスされません。これからの出